サブカル回顧録

ゲームやコンピュータ等、一昔前の語り草

98実機を「らく~に環境設定する」ためのその1

Cocoparのモニター買ったことで久々に復活した98環境。

そこで本格的に98を使いたいと言う方に向けて、準備しておけばらく~に構築できる環境づくりを少し語ってみようと思う。当然ながら今となっては入手困難品もあるが、そもそも今から環境構築自体がかなり難しいが、ヤフオク等を駆使すればまだ大丈夫なレベルなので、そこも含めて話そうと思う。

まずは本体入手から

これは当たり前すぎるんだけど、以前も語ったけど実機を手に入れるにはまずは本体。正直完動品というか動作品は少し前は安価で売られていたんだけど、今は結構な値段になっている。五桁ぐらいは覚悟しないと厳しいかな。

あと、本体よりもむしろマウスとキーボードの入手を先に考えましょう。幸いにもジャンクで良ければキーボードもマウスも合わせて5000円程度で入手できるのがうれしいところ。正直キーボードはジャンクぐらいしか無いんだけど、大抵動くのであまり気にしなくていいでしょう。ただ、そうなると機種も限られてきます。98シリーズは二代目A-mateぐらいからキーボードとマウスのコネクター形状が変わっています。なので買うのは基本9821オンリーです。9801も悪くはないけど、DA・DS・DX以外のシリーズはFM音源が無いし、そのDA系もなによりFM音源が規格の古い26K、さらにキーボードとマウスのコネクター規格が旧式。正直買ったところでキーボードとマウスで多分詰みます。なのでここでは9821系を中心に選んでいくことにします。

あと、だいぶ本体のタマ数が減ってきたことから軽度なメンテナンスモデルが最近はメインみたいですね。一応動作確認が取れていればそこまで気にすることは無いと思いますので、参考程度で考えてもいいでしょう。

第一候補 9821 A-Mate & Multi

A-Mateなら二代目のAp2・As2、三代目のAp3・As3の4つ。初代はキーボードとマウスのコネクターが旧式なのでやめたほうがいいです。値段は3万前後ぐらい。二代目の方が数が多い分入手しやすいです。5年ぐらい前はまだ1万前後で買えてたんだけど、タマ数も減ってきてかなり厳しい状況です。

次は二代目のCe2・Cs2。こちらも初代無印Multiと二代目のCeがありますが、これもキーボードとマウスのコネクター形状の関係で除外。こちらも値段は2万強でA-Mateと同じ。これも5年ぐらい前だと3000円ぐらいで買えてたんだけどね。

この第一候補の機種はFM音源が希少な86音源になるので、コアなゲームも起動するというレア機種になります。例えばバトルスキンパニック9821等の俗に言う98PCM音源を使うタイプのゲームはこの機種であれば標準で起動します。また、このあたりの9821はCPUが486なのでDOSゲームをやるには十二分な速度がでます。あと、この頃の9821がまだフロッピーを2ドライブで運用していた人が多いため、フロッピードライブが2基の個体が多いのも特徴です。なので、フロッピーベースのゲームを考えてる人はこの機種をなんとかして入手したいところですね。

まあ、それだけなのでそこまでこだわらなければ次に挙げる第二候補の方が数も多いため、入手はしやすいと思います。

第二候補 9821 ValueStar & Canbe(モニターレスモデル)

さてValueStarですが、これに関しては若干の語弊があります。ここで言うValueStarはV166・V200・233のデスクトップモデル。当時前期型が流れ星・後期型が青札と言われていたモデルになります。このモデルはValueStarにしては珍しくFM音源(118音源)が導入されており、86音源互換なこともあるのでDOSゲームでも十分活躍してくれます。またMMX Pentiumマシンということもあるので、かなりの高速でゲームが可能になります。A4シリーズ等後期のシミュレーションゲームがしたい場合はこっちのほうがいいでしょう。一応欠点としてはFDDが1ドライブのモデルが大半だったこととFM音源は86互換であるが、PCM音源は初期タイプと違うため、一部のPCM音源が依存型のゲームは動きません(一応bat書き換えれば動くことはある)。大半の機種がフロッピードライブが1ドライブのためHDDインストール型ゲームをやりたい方は大丈夫だけど、フロッピーベースのゲームを考えてる人は避けたほうがいいでしょう。こちらも2万円以上します。

第二候補はCanbeのモニターレスモデル。CanbeはCbとCxシリーズがありましたが、cbはモニター一体型のため、経年劣化及びメンテナンスを考えて却下。そうなるとCxシリーズになりますが、これに関してはかなり入手がしやすく、多分このCxシリーズを選ぶのが一番安価でしょう。Cxは486SX(33Mhz)、Cx2がPentium75Mhz、Cx3がPentium100Mhz、Cx13でPentium133Mhz。正直このCx系は値段の差があまりないため、一番最速のCx13でいいと思います。ちなみにCD-ROMはついていてもまず使わないので考えなくていいです。どっちにしてもCx系は連装CD-ROMの機種が多く経年劣化もあってまともに動かなくなってる可能性もあるため、期待はしないほうがいいでしょう。またCD-ROMを動かすデバイスドライバの設定は結構面倒なのでそういう意味でも無いものとします。また、一部タワーモデルのCtや液晶モニターのついているCr13等もありますが、正直場所を取るのでやめたほうがいいと思います。なお、このCanbe系もフロッピードライブが1ドライブのモデルが多いので気をつけてください。値段は結構前後してますが、タイミングが合えば5,000円程度でも入手できるようなので、粘るのもありでしょう。もちろんメンテナンスモデルはそれなりの値段がします。

このValueStar及びCanbeモデルは考えようによってはMS-DOS環境構築が一番簡単かもしれません。もともとインストールされているWindows95を使うことでCD-ROMの読み込みを行い、データ転送を無理やり行う方法を使います。

第三候補 9821 Lavie Na・Nr・Nwシリーズ

この機種はノートPCになるので少々難易度が上がります。なので参考程度で考えてください。正直環境構築にSCSIカード等を考えるとかなり面倒でおすすめ出来ません。これらシリーズはもともとWindows個体で考えられて設計されているため、MS-DOS環境を構築するのも結構面倒で、データ転送等もかなり特殊です。一応ノートということでコンパクトではありますが液晶等の劣化もかなり来ていると思いますので、98環境が整っている人向けと言ってもいいでしょう。ですので最初に選ぶのはやめておいたほうがいいですが、一応出来なくはないので選択肢としては入れておきます。

準備しておきたい周辺機器

起動をMS-DOSで行いたいので、これだけは是非とも入手してほしい。

① 230又は640のMOドライブ(SCSI

② Cバス用SCSIボード

③ 640のMOドライブ(USB接続のWindows用)

④ MS-DOS5.0A 又は 6.2

ValueStarやCanbe系を買った人は③のUSBのMOドライブはいらないと思いますし、設定でうまく調整すれば①も②もいりません。ただ①と②は当時のHDDの代わりに使うために必要になります。仮にHDDがあるモデルと買ったとしてもデータ転送用で出来れば準備してほしいところ。ヤフオクを覗いても全部で6,000円程度なのでワンセットは持っていてもいいでしょう。まあ出来れば全部準備してほしいところですね。USBのMOドライブは相当レアなものなのでなかなか見つかりませんが…(当時自分も中古のパソコンショップにたまたま売っていた640MOドライブを買ったけど、正直一番きついと思う)。

とりあえずその1はここまで。基本的に必要な機種構成を簡単に説明しました。今からやるとすれば多分うまくいって最低で2万ぐらいはかかると思います。それも本体の値段でほぼ決まるのであとはタイミングですね。まあレトロPCとしてはそこまで高くないのでハードルは低いと思います。

次回は環境構築基本編から。MS-DOSのインストールから98の起動挙動等を書いていこうと思います。