サブカル回顧録

ゲームやコンピュータ等、一昔前の語り草

ゲーム機列伝⑪補足 PS2、中国ではそれはそれは…

PS2全盛期の頃、お隣中国では別の意味でPS2が全盛期でした。中国の場合はPS2以前のPSやサターンの時代も含めて軽くお話してみようと思います。

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さて、PS2が日本で発売後中国ではまだまだ上陸しておらず、PSやサターンが全盛でした。とはいってもメインはやっぱりPS。ただ売られ方もかなり特殊。

まず、PSとサターンは購入した時点でMODチップが自動的に追加されます。MODチップとはPSやサターンの時代に流行りましたが、要はコピーを動かすためのキーチップ。チップを使うことでゲーム機の信号をチップ側から強制的に出すことで、コピーしたゲームを動かすと言ったものです。日本でも当時秋葉原日本橋を中心にひっそりと売られていたものです(ひっそりといいつつ露天や雑貨ビルで売られてたけど)。そんな中、中国ではPSやサターンが日本より遅れて導入されます。確か2000年前ぐらいからだと思います。なのですでに日本では廃れ始めた状態だったんだけど、それ以前に本体もそもそも中国には出荷していなかったので、基本的には日本や米国のものをそのまま横流しして入ってきてました。サターンは米国ではあまり売られていなかったせいか、大半が日本からのものだったようです。

そして購入時に自動的にチップが導入されます。つまりどういうことかと言うと、

「売られているソフトが全部海賊版

ということだったのです。右見ても左見ても全部バッタモン。しかも困ったことにゲームはタイトルでなく枚数で値段が決まっていて、だいたい1枚が日本円にして50円スタート。PSもサターンもお構いなし。とにかくやりたい放題だったことは間違いないでしょう。

そして時は流れてPS2全盛期へ…

中国でのPS2導入は遅く、日本で言えば薄型本体が出た時期からです。このあたりから中国ではPS2が導入されていきます。もちろん、公式には発売していませんのですべてが流れ商品。主に台湾経由と日本のものがそのまま横流しという感じです。なので、最初の設定時に漢字か英語を選ぶことになっていて、そのまま漢字だとわかりにくいので英語を選んで使う感じになります。また、日本から横流しされた本体はそのまま日本仕様になります。

当然ながら中国ではそのままでは売られていませんでした。本体を購入するとそのまま購入直後にこれまたMODチップが埋め込まれます。埋め込み時間はだいたい購入直後から10分程度。買ってから少し待つと完全にヤラれまくったPS2本体を手に入れることになります。ゲームソフトはもちろん全部海賊版。日本仕様から海外仕様までとにかく全世界関係なく売られていて、こちらも一枚100円程度からと明らかに狂った値段です。中には昔なつかしN in 1ソフトもあったりして、こういうソフトには太鼓の達人が複数入っていたりしてました。他にも改造ツールもそのまま売っていたりしてとにかくやりたい放題という感じですね。MODチップが埋め込まれてるので海外仕様だろうが日本仕様だろうがなんでも起動する本体になるわけです。これがだいたい2000年台後半まで続くことになります。

PSにしろPS2、サターンにしろ中国で売られるときはもうMODチップが出ていて完全に本体がバラされている状態からスタートと言う感じだと思います。なので全盛期が日本に比べると遅く、その分スタートの時点でソフトは山のように購入できる環境にあるという感じ。当時あるルートで中国でPS2を買ってきてもらったんだけど、箱から中身まで明らかに日本で売られているモデルで説明書も全部日本語だったのに、普通にコピーが動く本体だったのはたまげた。妙なプリズムシールが貼られていて、これが改造の印なんだろうと勝手に解釈をした。ちなみに本体の価格は日本の定価とほとんど変わらず、当時の中国の一般的な所得層では到底買うことは出来ないのは明らかで、どう考えてもバッタモンを外国人に売ってるんじゃね?って感じでした。怖いよね。

その後はどうなったかは不明です。PS2全盛期ちょい過ぎぐらいにその方はちょうど引き上げる感じになってきたのでそこでストップしました。なんでもちょうどPS3への移行期になってたみたいだけど、PS3は当時はまだ完全にヤラれてなかったため、まだ安定期に入っていなかったとか。他にもWindowsはほぼ全部バッタモンであったとかなかなかの世界だったとのこと。

向こうの人はすごいよねって思う。なんでもフリーソフト化しちゃうところはもうね。

以上、PSからPS2までの中国ゲーム事情についてでした。なお、内容は自分で見たわけではなく聞き伝えからだけど、100%事実です。