サブカル回顧録

ゲームやコンピュータ等、一昔前の語り草

今までパソコン用記録メディアで見たことがあるもの⑦ CDからDVD、そして現代へ

CDメディアの普及から数年経ち、DVDメディアやBDに切り替わっていく。このあたりはざっくりと話してみようと思う。

setoalpha.hatenablog.com

CD-Rドライブも2000年を超えてくると標準搭載になっていき、そのうち市販の国産PCなら最初からついてくるような状況になってくる。デスクトップからノートPCまで大半のパソコンでCD-Rドライブが付いてきて誰もが簡単に音楽CDやバックアップが取れるようになっていく。そんな中少しずつDVD-Rドライブへとシフトしていくことになる。

DVD-Rドライブは当初は規格が『-R』『+R』『RAM』と3つもあり非常に乱雑としていたが、最終的にはRAMは消え去り、-Rと+Rの両対応ドライブへとシフトし最終的にメディアは-Rだけになったという感じ。ドライブ自体は両対応で今も出ているんだけど、メディアは+Rはほとんどない。そもそも、RAMは論外として(こいつはドライブも専用だった上に互換性がきつすぎて論外)すでに-Rがある程度普及していっていた時に+Rとか言う規格を無理やり作って結局は市場に混乱を招いただけという感じだった。しかも微妙に+Rは互換性がオカシイとかあって最初から相手にされてなかったという感じ(最終的には互換性問題はクリアになったが)。結局企業のシェア争うに巻き込まれた結果ひどい目にあったという感じだ。最終的にはRW(書き換え可能)やDL(二層タイプ)まで対応していく。

この時代のメディアになると、もはや国産メーカーもほぼ台湾製。結局太陽誘電一強で、ちょうどこのあたりから一般の店舗でも太陽誘電製を扱う店が増えてきたと思う。ただ、普通の方々はこの太陽誘電製と言ってもピンとこないみたいで、聞いたことのない怪しいメーカーと言う印象だったとか。ただ、誘電製が普通に買えることは非常にメリットが大きくとりあえず選んどけ的な感じで買っていた。あとたまに別のメーカー買ったりしてたけど、この頃になると品質もそこまで差がなくなってきていたのであまり気にしてなかったですね。

DVD-Rドライブが普及し、どんどん値段も下がっていくに連れて例のごとく国産PCにも標準搭載されていくことになる。大体国産PCに標準搭載されていく頃にはコストも相当落ちていっているので、ドライブも値段が下がっていくことになり自作ユーザーもほぼデフォでDVD-Rドライブを付けていくことになる。CD-Rドライブの頃に比べるととにかく値段が落ちていくスピードが本当に早く、普及は加速度的に増えていくことになる。メディアも同時に値段が下がっていき、最終的にはCD-Rメディアの最安値の頃ぐらいの値段にまで落ちていく。50枚のスピンドルで1,200円程度まで落ちてきており、完全に普及帯に入ったということだろう。

そんな感じで2005年頃にはほぼDVD-Rドライブは普及が完了しだす。そして同時にBDドライブの足跡が聞こえてくることになる。もちろん出た当初のBDドライブは非常に高いわけだが、これも2000年台後半まで行くと値段が落ち着いてくる。この頃になると1万円を切り始めてきており自作PCユーザーから少しずつ普及が広がっていく。ただ、メディアは扱うメーカーも昔ほど多くなく、相変わらずTDKや三菱、誘電と言った感じ(他にもあるにはあるが買ったことがないし買う必要性すら感じない)。

そうそう、そういえばHD-DVDとか言うのもあった。確かXBOX360が採用したけど一瞬で終わった規格。あれ結局何のために出したのかなぁ…。ドライブとか以前にあれのレコーダー買った人マジでブチ切れてたと思う。メディアももはや売ってないし、どうしようもない不良債権みたいなもんで、トーシバもまあえらいことしちゃったね~って感じ。

で、BDだけどこっちはこっちでメディアがそこまで落ちない状態が続き、ほんの3年ぐらい前から50枚でも2,500~3,000円ぐらいしており、今もあまり変わらない状況である。これは色々と理由はあるだろうが、HDDの大容量化が一つ理由にあるのではないかと思う。

CD-RやDVD-Rが普及していた時代のHDDはまだ容量が少なく、CD-R時代は4~8GBに対してCDメディアが700MB、DVD-R時代も40~120GBに対してメディアが4.3GBがベースでまだまだメディアに保存するという感じで使っていたが、BD-Rが普及する頃にはすでにHDDは最低で500GB。ある程度のパワーユーザーだと4TBや10TBが当たり前の状態。BDは25GBになるので、バックアップするにも枚数が相当数行ってしまい、HDDに保存したほうが手間やコストを考えてもやりやすいと言う感じになっていってるのだろう。その分光磁気メディアに保存する人が減ってきているというのも理由なのだと思う。他にもコストの関係で未だに国産や通販系のパソコンにBDは標準で搭載されていないことが多い。DVD-Rはほぼ標準搭載にたいして、BDは結構選択型が多いのでも理由にあると思う。

また、音楽CDにも共通されていたことだがDVDも一応バックアップを取ろう思えば取れるのも影響しているのだと思う。非常にグレーゾーンではあるがCD-Rドライブの普及はやはり音楽CDというのもあっただろうし、DVD-Rドライブも同じようにDVD映画と言うのは当然だろう。ただ、BDはそれが出来ない。厳密に言えばそうでもないのだが、DVD映画はあまりのお手軽処理でバックアップがとれるのだがBDは少し知識がないと難しいというのも理由にあるのではと思う。

そして今BD-XLと新企画が出てきているが、正直BDはHDDに変わるバックアップを取るためには1枚で最低でも200GBぐらいは保存してくれないととても太刀打ち出来ないと思う。今のBD-Rでも25GB程度。仮に2TBのデータを全部保存するとして枚数が80枚。申し訳ないんだけど、これではバックアップの枚数が多すぎて対応出来ませんよ。BD-XLが最大で4層の128GBと言われてもまだまだ欲しい。HDDが8TBや12TBとか言い出してる時代に128GBとか話になりませんよ。

以上駆け足気味でDVDからBDまで話してみました。正直CD-R時代のときの盛り上がりはこのDVD、BD時代にはなかったと言ってもいいですね。メディアも安定期に入って消える魔球とか言うネタ性が高いのも少なくなってきたし(少なくなったのであってゼロではないが)DVDは市販のコピーで盛り上がったけどそれだけで終わっちゃった感じだった。BDは完全にバックアップというよりもデータの保存がメインになってしまったことと、あとレンタルが今ひとつ普及していないこともあって一部以外は全く盛り上がらなかったという感じですね。

ゲーム機ではPS2でDVDが採用されたのを皮切りに盛り上がりPS3でBD採用という感じで順調に進化していってるんですけどね。映像面では盛り上がってたけどパソコンのドライブとしてはDVDまででBDからはいまいちかなぁ。やっぱり言えることは色々とシステムの穴をつくようなことが出来ないと盛り上がらないのかなと。CD-Rドライブ時代はPSやSS、Windowsとやりたい放題、DVD-Rも同じように色々と裏街道で楽しめた。ただBDはガチガチにやられすぎてどうしようもなくなった…。これが全てだと思う。まあ、当たり前なんですけどね。

というわけで、記録メディア関係は今回で終了します。最後はメディアもへったくれもなくなった内容になっちゃったけど。次回以降はまた他の話の続きでもしようかと。