サブカル回顧録

ゲームやコンピュータ等、一昔前の語り草

今選ぶならこれ!Windows用の8bitPCエミュレータ②

二回目は80年台半ばから隆盛を極めた8bitPC系のエミュレータから。この時代をリアルタイムに経験した人ならわかると思うんだけど、ファミコンPCエンジン初期の時代に存在していたもう一つのゲーム文化=パソコンゲームはその値段からもある意味憧れでもあった。ファミコン小僧が1万強のゲーム機で頑張っていた頃、別世界には20万弱もするパソゲー文化があった。そこには憧れみたいなものも有り、またちょっと背伸びをしたくなる年齢からすればなんとも言えない世界観があった。そんな憧れも今では簡単に遊べるわけだけど、そんな中御三家とも言われた三機種+一機種の主だったエミュレータを紹介してみようと思う。

 

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ご存知御三家といえばNEC富士通、シャープの出していた8bitPCでもあるんだけど、今回はそれ+独自のパソゲー文化を歩んだMSXからマスト的なエミュレータを紹介してみようと思う。

PC-8801Mk2SR以降 → M88

project m88

8bitPCといえばまさにPC-8801nk2SR以降が総本山でこれこそ王道なわけだけど、Windowsで動くPC-88系エミュレータといえばやはりM88、コレしか無いでしょう。このM88はまだWindows98が出る前後あたりに突然現れたエミュレータなんだけど、出たときから完成度が高く、またこのエミュレータが出たことによってその後の8bitPCのエミュレータが続々と産声を上げたと言えるぐらい衝撃的だった。出た時点から完成度が高く細かい調整を行いつつ2003年にほぼ修正が終わり尽くされたんだけど、ごく一部のこだわりからの修正が大半で実機をほとんどプレイしたことの無い側からすれば出た時点で衝撃的であった。

名作の塊でもあるPC-88シリーズは対応ゲームソフトも古典といえるものが多いが、とにかく名作だらけ。ザナドゥイースシリーズ、エメラルドドラゴン、ブライ上巻、ハイドライドシリーズ、テグザー等など、語ればキリがないレベルの名作がそれこそ星の数ほどある。今プレイしても面白さは色あせてないと思う。当時実機でプレイしていた人であればなおさら楽しめるだろう。88を持っていなかった自分ですらプレイしたときは衝撃を受けたものであった。

このエミュレータ本体は速度調整も出来、またステートセーブやロードも当然ながら、ノーウェイト動作ができるので、RPGで一瞬で戦闘終了等も可能。特にブライ上巻ではこのノーウェイトを使って第1章でデタラメにレベルを上げるなどできるので楽しめる。

FM-77 → XM7

XM7 - XM7/XM7 TypeR V3.4/V2.9/V1.1

御三家PCの一つでもある富士通のFM77シリーズのエミュレータならばXM7。このXM7も非常に完成度が高くほぼ実機と同じ感じでプレイできる。8bitPCエミュレータはM88といい、このXM7、そして次に紹介するものも含めて出た瞬間から完成度が高いものが多く、最初からほとんど90%以上は問題なく動くものがおおく、一部のゲーム等を除けば非常に快適に楽しめるものが大半でもある。このXM7は今も精力的に更新しており、細かい調整を含めて調整しているようであるが、少なくとも現バージョンでほぼ問題なく動作はするので安心して楽しめるはずである。

FM77シリーズは残念ながらゲームは少ないもののどちらかといえばグラフィックで記憶に残るゲームが多い。イース2のOPやEDでの多色表現に、魅せてあげよう、1ドットのエクスタシーで有名なレイドック、当時としては驚異的な移植でもあったスペースハリアーなどとにかくグラフィックを全面的に押し出したゲームが多い。FM77自体のキャッチコピーが総天然ショックとショックと色をかけたりとほとんどダジャレに近いが、そういうところも影響しているのだろう。ただ、残念ながらそういった特殊機能はなかなか生かせず、御三家の中ではどうしても三番目というイメージが強い。

もちろんエミュレータ本体の機能はほぼほぼ基本機能が有るがステートセーブがどうやらないようなのでそこだけは要注意。実機的に使うなら何も問題ありません。

※追記

どうやらステートセーブ機能はあるようで、ファイル→開く・名前を付けて保存の項目がそのままステートセーブのようです。これは独特な仕様だけど、名前を指定できるので色々なパターンの保存ができるので数に関してはほぼ無制限に保存できるのは大きいです。

X1 → WinX1 次点で X millennium

X millennium

X millennium T-tune + ikaTune

X1は非常に難しいのだけど、個人的にはWinX1だと思う。X Milleniumも悪くないけどWinX1の方がシンプルで使いやすいという感じ。ただ、どちらも非常に完成度が高いので使いやすい方を選ぶのが一番だと思う。残念ながらWinX1はすでにページも無いようなので改造版?を紹介。当時は両方使っていて両方起動はしてたんだけどX Milleniumは時々起動しなかったり変な挙動があったりしてたので、ほぼほぼメインをWinX1を使っていて、WinX1でうまくいかないものだけX Milleniumを使っていた感じ。

X1はFM音源の音色が独特で、例えばイースIIであればステレオになっていたり(とはいえこれはFM音源部とPSG部を振り分けてるだけなので変な感じだけど…)あとハイドライド3の音色が88系とは全く別物になっていたりと色々と特徴のあるマシンでもある。ゲームは案外多く、エミュレータであれば初期X1からのソフトも全部起動するので非常に快適。ちなみにテープゲームはプレイしたこと無いのでよくわかりません。

なお、WinX1にはステートセーブ機能が、X Milleniumにはついていません。またX Milleniumは英語表記になるので苦手な人はWinX1の方がいいでしょう。とはいえエミュレータでの英語設定は簡単な項目になるのでそこまで身構える必要はないんですがね。

MSX → BlueMSX

blueMSX blueMSX 日本語サイト

最後にプラス1としてMSXシリーズ。MSXエミュレータと言えばfMSXがMS-DOS時代から有名なんだけど、自分はむしろこのBlueMSXを一押ししますね。fMSXは当時MS-DOSプロンプトでの起動で一応ランチャー等があってむりやりGUI起動も出来なくはなかったんだけど、なにせ色々と癖があって音がでないとかもともとがMS-DOSベースだったため、DOSプロンプトだと使いにくかったことやジョイスティックが使いにくい等もあった。その後MSXエミュレータGUI系が増えてきて一時ParaMSX(sharksym's MSX World : 카테고리 > paraMSX-R (Real))も使ってたんだけど、このParaMSX、当時完成度はかなり高かったが唯一FM音源の音色が実機と全く違っていてそこだけがマイナスで、結局その後出てきたBlueMSXにシフトしていった。使い勝手もBlueMSXの方が一枚上手でもあった。

エミュレータ本体は最終モデルのTurboRにも対応しており、抜かりはなし。ステートセーブ機能もあり速度調整もありと非常に高性能。なによりMSXのパソゲー文化は非常に独特でMSX1時代にあったシューティング系はファミコン以下ではあれ個性的な面白さが有り、またMSX2時代初期はロムカートリッジを使ったファミコン以上スーファミ未満の名作が多数。後期はディスクを使ったパソゲーならではのゲームも移植され、非常に独特なゲーム文化を築いていたこともあり、その世界観は独特。悪く言えば闇鍋みたいな感じ。PC-88系の名作ゲームからファミコン系のゲームまで、その世界は多数に渡るので今一度楽しむのも悪くないかもしれない。なにせ最後まで生き残った8BitPCだけあって後期はなかなかにスリリングな異色作も多くその世界にハマると戻ってこれなくなる可能性もあるw

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以上な感じですね。8Bit系PCエミュレータはとりあえずM88を抑えておけばほぼ問題ないと思います。X1は88とかぶってるものがおおく、FM77はごく一部のゲームのグラフィックの違いを楽しむのがメインな感じ。ちなみにイースシリーズで言えばIはFM77、IIもFM77、IIIは88で楽しむ感じ。IはFM77版のみ最後のダルク・ファクト戦の音楽がフルコーラスになってる&エンディングの一枚絵が高グラフィックに。IIはOPとEDが書き換えられていてFM77版こそ当時の完全版と言ってもいい出来。IIIは8bit系では88とMSX2版しかないので88版をやる感じ。

エミュレータはなかなかグレーゾーンでもあるけど、当時の移植の違い等を探すのもなかなか楽しく、同じゲームでも結構違っていたりする。御三家は解像度等が同じなので同じように見えるゲームも多いが、FM音源の音色や細かいグラフィックなど以外に違うものもあったりしてそのへんの比較をするのもなかなか楽しい。まあ大半はほぼ同じだからそこまで違いはないんだけどね。

なによりも今のパソコンであればどれも快適すぎるぐらい快適にプレイできるので試す機会があればやってほしいところですね。特に御三家PCに関しては当時を走り抜けた人ほど感動の数値は高いと思いますw