サブカル回顧録

ゲームやコンピュータ等、一昔前の語り草

スクウェアの思い出④ファイナルファンタジーIII

ファミコン最後にして最高の出来と言ってもいいであろうFFIII

今日は簡単に当時のことを振り返りながら語ってみようと思う。

setoalpha.hatenablog.com

ファミコンRPGドラクエとFFの双璧!というのを決定づけたのがこのFFIIIだと思う。発売されたのは1990年なんだけど、この年は後年RPGの超当たり年ともいわれており、2月にドラクエIV、4月前半に女神転生II、後半にFFIIIと今も続くRPGの続編がすべてこの年に発売している。そんななか発売したわけだが、このFFIIIは中でもファミコン最高傑作としても名高く語られている。

詳しくはすでに語り尽くされてるので当時の状況を思い出しながらどんな感じだったかを話すことにする。この時代はRPGは完全に伸びしろアリアリの状況で当時のちびっ子共はとにかく飢えていたと言ってもいいだろう。そんな中FFIIIは一部のマニアが注目していた前作、前前作とは違って少し市民権も得てきていたのだろう。発売前からかなりの注目を浴びていた。発売後はまたたく間に売れていったわけである。

FFIIIFFIからのジョブタイプの変形版とも言えるゲーム性で戦略に性格が出やすく、最後はほぼ同じような構成になるんだけど、途中経過は特殊なボスを除いて結構人によって違ったりしていたのが面白いところだった。魔法もIに比べて回数アップし、余裕を持って使用できるようになったり、召喚獣が初登場したりと目新しいシステムとIでのシステムを昇華させたことで一気にプレイしやすくなった。難易度もIみたいな狂った仕様はなくなり、比較的他のRPGに近い感じに変えられ非常にプレイしやすくもなった。ただ、ぬるくなったというわけでなく理不尽な難易度が減らされただけなので、このIIIから始めた人からすると結構骨は折れたとは思う。

グラフィックもパワーアップし、ファミコンでは最高と言ってもいいだろう。あのスペックでのあの書き込みは本当に血反吐履いたんじゃないの?ってレベルの出来。原画氏の天野喜孝氏のイメージ画をそのまま取り込んでいるボスキャラもいたりして本当にファミコンと言うレギュレーションを考えると凄まじい出来。

シナリオも最初の世界は小世界であり、その後の解放後の世界で初めて世界の広さを感じ絶望したりと今までにない表現で当時の子供達のハートはガッチリ掴まれたはずだw

音楽も非常に素晴らしく、未だに名曲といっていい曲が多数ある。悠久の風はもちろんながらバトルシーン、中ボス曲と非常にアップテンポで軽快なBGMは遊んでいるプレイヤーを飽きさせない。あとエンディング曲はシリーズ中最高だと今でも思ってます。

後半のクリスタルタワーからの盛り上がりはテンションアップ間違い無しで。最初に土のクリスタルからスタート。途中のエウレカでの武器を手に入れるイベントは衝撃的で、伝説の武器を手に入れるために敵を倒してから入手すると言う構成はこれ以降のFFにも引き継がれていくことになり、お家芸にもなっていく。エクスカリバー、正宗、ラグナロク、長老の杖と未だにスラスラといえる自分の無駄な記憶のキャパもアレだけど、この演出は非常に盛り上がりを見せてくれた。

とにかく何もかもが新鮮で新たな演出だらけ。FFIIIはそういった新しい演出が大量に追加されていたため、どちらかといえば王道のドラクエ系に比べるととにかく新鮮味があったのである。ストーリーやスケールも含めて盛り上げてくれ、それを補うBGMでさらに演出がアップ。さらに倍速、4倍速をも超えた8倍速での移動等、ファミコン末期に出てきた奇跡のようなゲームだと思う。

もちろんすべてが全て褒められるものではなく、色々と問題点もある。例えば逃げると失敗したらダメージをほぼ4倍食らうとか、バグを使ってアイテム変化させたりアイテム99個にしたり等妙なバグがチラチラとあるけど、逃げるはさすがにアレだけど、アイテム99個はやらなきゃいいだけなのでまあそこまではって感じですかね。他にもアレヤコレヤあるみたいだけど…。

あとよく言われるクリスタルタワーからのセーブポイントが無いのでゲキムズと言う話があるんだけど、これは半分正解だけど半分は間違ってると思う。というのもしっかり進めていけば以外にそうでもない。エウレカでしっかりとレベルをあげて武器もすべて取り、その後一旦外に出てセーブ。そこからじっくり進めていけば特に別段いうほど厳しくはない。厳しいのは2ヘッドドラゴンぐらいで案外難しくはなかったりする。まあ、そのじっくり進めていくってのが当時の子供達にとっては出来ないことで、早くクリアーしたいがために無茶してすすめる傾向があるので、そうなってくると鬼のような難易度になるという感じかな。

また攻略本が初めてNTT出版から発売されたシリーズでもある。NTT出版の攻略本は発売前のデータをそのまま使ってることもあり、攻略本が実は攻略になってないと言う事例が多々あり、それにどれだけ騙されたことか。そんな大人の事情をしらない子供の頃はまあ本当に騙されたよw。で、この攻略本。説明文章がなかなかに神がかっており、昔FFIII開発者がFFIIIをクリアーすると言う企画があった際に、坂口博信氏が攻略本をそのまま読んでいってるんだけど、そのコメントに対して「バカじゃねーの」とかディスりまくってて笑ったw。まあ実際持ってるので読んでみたんだけど、そりゃあそうだよな~って今になったら思う。あの攻略本のコメント書いた人まじでセンスあると思うよ。

その後紆余曲折があり、DSでようやくリメイク発売。正直リメイク版は悪くないけど、難易度の再調整やジョブの再調整があって、オリジナルとはストーリー以外は別物と言っていいでしょう。あとBGMアレンジがなぁ…。そもそもDS版は風水師が異常に強くて入手した瞬間からラスボスまで使えてたんだもん…。忍者と賢者の弱体はまあ仕方ないんだろうけど、それにしても風水師はバランスブレイカーレベル。狩人も結構な壊れっぷりらしい。こっちは当時使ってないのでわからないんだけどね。なのでリメイク版に関してはあんまり思い入れはありません。やはりオリジナルのあのぶっ飛んだ調整が鮮明に残ってるのでどうしてもそうなっちゃうんだよな~。

ちなみに、サントラもあるんだけどオリジナルをやった人は当然入手するとして、おすすめはアレンジ版の悠久の風伝説。はっきり言ってDS版のアレンジ曲より数倍出来が良い。6トラック目の闇のクリスタル→暗闇の雲へのアレンジの繋ぎは今見ても背筋凍るぐらいしびれますね!あとこっち↓

FINAL FANTASY III SFC Style mix 全曲SFCアレンジ計画 /J.M.'s Home.net

は個人制作になるんだけど、この全曲スーファミリミックス版も本当にすごいいい。当時こんな感じで曲作ってリメイクしてほしかったな~って本当に思った。

最後にこのFFIII。うちの地元では少々小話があって、発売後確か一ヶ月ぐらいしたときかな。なぜか近所のゲーム屋に大量入荷されしかも値段が1,980円と言う明らかに狂った値段付け。これ中古と思いきや全部新品( ゚д゚)。たしか週末に売り出すとかで昼過ぎに行ったら普通に入荷しててダンボールから出してたw。いやいや、他の店普通に中古価格でこれより高かったんですけど、一体何があったんでしょうかね…。当時の店員さんが「もちろんこの値段で売るよ!新品だよ!」って感じで嬉しそうに話してたのを今も覚えている。100本以上入れてたみたいなんだけど、当然のように次の週には完売してた。あれは未だに不思議な出来事だった…。