サブカル回顧録

ゲームやコンピュータ等、一昔前の語り草

スクウェアの思い出⑥ファイナルファンタジーIV

スーファミ初となったFFIVは大ヒットを約束されたFFシリーズとも言えるだろう。スクウェアスーファミ初参入ともなったFFIVは予想通りというべきか予想外というべきか、先のFFシリーズの進化を垣間見たゲームでもあった。

スーファミ発売後一年を立たずして発売したFFIVであるが、まだスーファミが発売したばかりでRPGもまともになかった時代に本格RPGとして売り出される。すでにFFIIIでかなりの市民権を得ていたFFシリーズとあり、スーファミの普及数が少ないにも関わらず100万本以上売り上げるという数字を叩き出す。

このFFIVスーファミがまだ出たばかりということや、またIIIから一年強で発売されたことでかなりのスピード開発されたことは間違いないだろう。スーファミから機能強化もあったことで、拡大縮小やモザイク処理、飛行船に乗ったときは斜めにパース処理をかけて擬似的な立体感を出す等次世代機の可能性を示してくれた。

ゲーム内容はFFIIに近く、主人公をメインにメンバーが入れ替わる形式となっていて、最大5人のパーティで攻略していくことになる。他にも利き腕が設定されていたりとこのあたりもIIに踏襲している。

ストーリーもなかなかに長く非常にヘビィな内容。最終ダンジョンはIIIのような地獄のような長期ロードはないものの、最終局面に行く際は最終セーブポイントから先がそこそこ長いためそれなりに強くないと苦労したりする。よくIIIのダンジョンが長いと言われがちであるが、ぶっちゃけてしまうとファミコン時代のFFはIもIIも最終セーブポイントからは最終ダンジョンをほぼ全階走破しなければいけないため、そんなに差はなかったりする。IIは一応途中の大ボスを倒してから一度外に出れるため少し楽ではあるが、IはIIIと同じで大ボス四天王は倒してもセーブが出来ない仕様なので結構厳しかったりする。Iはまだ最終ダンジョンが少し短いのでそこまではと思いがちであるが、大ボス四天王は運が悪いとやられたりするので以外にキツめでもある。IIも途中で離脱可能とはいえ、それでも道中はかなり長いため(ジェイド→パンデモニウム)なかなかにキツめではある。多分FFIVが最後の最終ダンジョンがちょっとキツイシリーズになるだろう。これ以降はラスボス直前にセーブポイントが発生するため、クリアーするだけなら非常に楽になる。またラスボスは結構ダメージが大きいため、レベルをある程度上げていかないとあっさりやられたりするのもこのIVまでであろう。

戦闘システムにはリアルタイムバトルに近いアクティブバトルを採用。全員のコマンドを入力→戦闘開始、と言う従来のシステムを変更し、個別単位のターン制というべきか、キャラクターずつで順番が回ってきて順番に攻撃を行い、また敵も同時にターンが回ってきたら攻撃するという感じでコマンドバトルでありながらリアルタイムな感じのバトルになっている。以後FFシリーズはこのアクティブバトルシステムが標準となる。

またこのIVから戦闘方法にもバリエーションが増えてきており、例えば敵にリフレクをかけたりする等、逆転の発想で攻略することで倒しやすくなる敵も出てきたりした。ただ単純に力押しで行くのではなく、頭を使った攻略をすることで楽に攻略できる敵も出現した(例:アスラ等)。また魔法もMP制に統一された。今後は回数制は廃止されMP制になるわけだが、一般層への売り込みもあって回数等の調整が必要なシステムをやめ、わかりやすいMP制に切り替えたのだろう。

またシリーズ唯一イージータイプが発売されたが、武器・防具名・魔法名が変えられたりアイテムも消されたりとなんかよーわからん調整をしてるみたい。FFをある程度やっているプレイヤーには少しわかりにくかったりする。どこがイージーなのかよくわからないのだが、難易度は少し下げられているようである。なおラスボスの姿が違ったりする。何故なんだろう。

簡単に言えばこういった感じのシステムであるが、FFIVはどちらかといえばファミコンのグラフィックを強化したと言う感じが強く、きれいになったFFと言うイメージが強い。次回作のFFVではだいぶこなれてきたこともあり、ハードの進化をより感じられるようになった。それでも召喚獣のグラフィックなどはさすが次世代機というべきか、スーファミの凄さを感じだものだ。

そんな中FFIVはパーティチェンジが発生することもあり、合流キャラクターのレベル調整等が決められており、特に初期に仲間になるリディアがこの場合ベースとなっている。話の展開上リディアが一旦離脱するのだが、このリディアのレベルを基準値に一部の仲間が合流する際にレベルが決められており、これをやっていると風のバルバルシアとのバトルの際に合流するローザとカインのレベルがリディアの上げていたレベル準拠で合流する。幼少期にリディアのレベルを気合い入れて60程度まで上げていれば合流時のカインとローザは60を超えた状態で仲間になることになるので、バルバルシアがホーリー一発で昇天したりとその後のゲームバランスはラスボスに行くまでほぼヌルゲーになってしまう。ただ、このリディアのレベル上げは非常に厳しいため、よくメテオまでという話を聞くが、正直フレアまで覚えさせていれば何も問題ない。フレアを覚える頃が大体55ぐらいになるんだが、そこまで上げていればローザとカインは60を超えて来るので何も問題ないわけである。そういったイレギュラーな楽しみ方をするのもまた一興であろう。

他にも当時のRPGには珍しく高レベルからはステータスの上昇にランダム要素が出てくる。

↓当時の雑誌切り抜きより。蛍光ペンで色をつけているが気にしないでくれw

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昔買った電撃スーパーファミコンからの切り抜きだけど、これを見るとLv71以降からの各キャラクターの成長に偏りがあり、それ次第で最終的なステータスが変わってしまう。これをレベルが上がる直前でセーブしてレベルが上がる前のステータスを確認してからレベルをあげてどこが上がってるのかを確認しながらプレイしていくというなかなかのスタイル。当時やったけどすげえダルかった。これはすでにFFVIが出てたんだけど、FFIVは出荷本数の関係からか中古でもなかなか値段が落ちないので、FFVよりも高いとかそういう感じにもなってた時期があったので、それを含めてなかなかに大変であった。

 

あと他にもアラーム問題。このアラーム問題もなかなかである。このアラーム、基本ドロップで集めていくことになるのだが、これがなかなか厳しい。しかも特定の場所でアラームを使うことででてくるプリンプリンセスを倒すことで手に入るピンクの尻尾を手に入れるために血反吐を吐くレベルで集めなければならない。当時実際やってみたが、アラームを70個近くあつめてプリンプリンセス狩りを決行したが、まあ落とさない。アラームがなくなったらセーブデータを再度ロードしてやる感じで繰り返しやって300回ぐらいエンカウントしてやっとおとしたぐらい。このピンクの尻尾と交換で手に入るアダマンアーマーはすさまじい防御力を誇り、これを装備したエッジが普通に前列でもやられることなく戦えるので、虚弱体質のエッジには必須と言ってもいい防具であろう。まあ、普通にプレイしてたら手に入らないのでそういう意味では根本的解決にはなっていないのだが。

他にも余談であるがFFIVは当時アクトレイザーサウンドを聞いてサンプリングを全変更したとのこと。音楽にこだわるFFシリーズはこういったところでも妥協していないことが伺える。

その後FFIVはかなりの機種にリメイクやベタ移植をされる。ゲーム機だけでもスーファミ、PS1、WSC、GBA、DS、PSPと6機種に。スマホ等にももちろん移植されている。どちらかといえばスペック的にはWSCやGBAはダウングレード的な扱いではある。特に音楽にこだわっていたこともあって、WSCやGBAは明らかに音源のパワー不足感が。PS1に至っては音楽のタイミング等が変えられていて違和感が少なからずある。また、DS版はいろいろな意味でマゾ仕様。ザコ敵がアホみたいに強いので初めてプレイする際はおすすめしません。セーブデータにも変なバグがあるので本当におすすめできません。PSP版はスーファミ準拠でやりやすいけど、すこしだけスーファミより難しくなってる感じがします。ただ相当スーファミをやり込んでいれば気づくレベルなのでPSP実機があればこれが一番おすすめです。続編も入ってますからね。

このFFIVは個人的には多分一番プレイしてると思います。スーファミ版で4回、PSP版で1回と途中のリメイクは一切手を出さずにプレイしました。DS版も途中やったけど、ザコ敵のマゾ仕様に途中でやめました。スーファミ初の本格RPGってこともあったけど、スクウェアの躍進を見せることになる最初のソフトでもありました。このIVの次に出るVで一気に大ヒットメーカーになるわけですが、それはまた次回以降にでもお話しようと思います。