サブカル回顧録

ゲームやコンピュータ等、一昔前の語り草

PS・SS時代のゲーセンのゲーム及び家庭用ゲーム機事情

PS(プレイステーション)やSS(セガサターン)が全盛期であった96年から99年にかけての当時のアーケードゲームで比較的導入が多かったゲームに限って考えてみようと思う。

その前に、PSやSSは当時最高スペックで出た家庭用ゲーム機であったことを念頭に入れておく。最初はPS、SSの出る直前の93年・94年から

1993&94年

餓狼伝説SPECIAL、究極戦隊ダダンダーン、サムライスピリッツスーパーストリートファイターIIバーチャファイターファイターズヒストリーリッジレーサーワールドヒーローズ2(以上93年)

エイリアンVSプレデター、XMEN、極上パロディウスKOF'94、新サムライスピリッツスーパーストリートファイターIIXダライアス外伝、デイトナUSA、鉄拳、ファイターズヒストリーダイナマイト、ぷよぷよ通、龍虎の拳2、リッジレーサー2、ワールドヒーローズ2JET、バーチャファイター2(以上94年)

見ての通り、一部ゲームは発売後のPSやSSに移植されており、それもほぼ完全移植に近い形である。PSは94年末発売とはいえ93年にアーケードで稼働していたリッジレーサーをローンチソフトに持ってきてるし、極上パロディウスに至ってはデラックスパックとしてPSとSSのローンチソフトで発売されており、一年もたたずに家庭用ゲーム機に移植されたわけだ。その上移植度も相当に高くこの時点ですでにPSとSSは現行のアーケードゲームとほぼ同等かそれ以上のスペックを持っていたことになる。これは家庭用ゲーム機としては異例。事実その後上記のゲームの大半は移植され、特にスプライト機能が極端に強かったSSはこの時代のアーケードゲームはほぼ完全移植に近いかたちでもあった。ポリゴンが弱いとされていたSSもバーチャファイター2を若干の違いは有りながらもほぼアーケードと同等レベルで移植しており、当時の家庭用ゲーム機の性能の高さをみせつけた。

今でのSFCやMD、PCEと比べるとアーケード相当までの高スペックな家庭用ゲーム機ではなく、アーケードになんとか近づけた家庭用ゲーム機という感じであったが、今回のPSとSSは全く趣が違う。今から思えばアーケードゲームが夢で無くなったターニングポイントでもあったと思う。

1995&96年

ヴァンパイアハンター餓狼伝説3、KOF'95、サムライスピリッツ斬紅郎無双剣ストリートファイターZEROセガラリー、鉄拳2、ときめきメモリアル対戦ぱずるだま、マーブルスーパーヒーローズ、レイブレーサーリアルバウト餓狼伝説ワールドヒーローズパーフェクト(以上95年)

龍虎の拳外伝、XMEN vs SF、ギャロップレーサーKOF'96、サムライスピリッツ天草降臨、ストリートファイターXERO2、デッドオアアライブ、電脳戦機バーチャロンぷよぷよSUN、メタルスラッグレイストーム(以上96年)

この時代もほぼ大半が家庭用ゲーム機に移植されているが、一部ゲームは機種格差が出てきてもいた。スプライト機能が強いSSは格闘ゲーム系が特に強く移植度もかなり高かった。ストリートファイターZEROシリーズ、KOFシリーズはSSの移植度は相当高く、ハッキリ言えばディスクの読み込みを除けばほぼ完全移植と言ってもよかっただろう。特にKOF'95はアダバンストロムの効果もあってか、読み込み速度も段違いで早く、この時点でネオジオCDは役目を終えたと言っても過言ではない。

また、PS側も特にポリゴン系のゲームの移植度はかなり高く、鉄拳シリーズやレイストーム等3Dポリゴン系のゲームはほぼ同等レベルであり、特にこの時代から主流になってきていたPS互換基盤システムを使ったゲームに至ってはアーケードと家庭用の差はなくなったと言ってもいい。

自分もゲーセンで当時ゲームを楽しんでいたが、このあたりからゲーセンと家庭用の格差がほぼなくなってたなと言うのは感じていた。単純にCD-ROMがゆえのアクセス速度問題だけがネックでそれ以外に関しては同等以上なのは見ても明らかであった。PSサイドが互換基盤でアーケードの移植を簡略しつつ同等レベルに持っていったことに対して、スプライト機能を前面に押し出していたSSは同様にスプライト機能を重視していた旧タイプのゲーム基板でもあるCPS2やネオジオの移植を同等レベルに持っていていた。この時代は特に高年齢層のゲーマー(大学生や社会人)はSSとPSを両方とも所有していたものも多く、移植された際はそれぞれの得意分野側のゲームを選んでいたぐらいである。実際自分もその口で格闘ゲームはSS版、3D系ゲームはPS版、ネオジオはROMといった感じで購入をしていた。

1997&98&99年

ヴァンパイアセイヴァーKOF'97、鉄拳3、電車でGO!月華の剣士beatmania、マーブル vs SF、リアルバウト餓狼伝説スペシャル(以上97年)

エアガイツKOF'98、Gダライアス Ver2、ジョジョの奇妙な冒険ストリートファイターZERO3セガラリー2、ソウルキャリバーダイナマイト刑事2、堕落天使、beatmania2nd&3rdmix、ダンスダンスレボリューションバーチャロン オラトリオ・タングラム月華の剣士2、ポップンミュージックメタルスラッグリアルバウト餓狼伝説2、レイクライシス(以上98年)

餓狼MOW、ギターフリークス&2ndmix、グラディウスIV、クレイジータクシーKOF'99、ジョジョの奇妙な冒険 未来への遺産ストリートファイターIII 3rd、ダンスダンスレボリューション2nd&3rdMIX、鉄拳TAG、ドラムマニアbeatmaniaIIDXミスタードリラーメタルスラッグX(以上99年)

このあたりからアーケードゲーム機の方が少し向上していく。とはいえまだまだネオジオやCPS2が現役でもあり、家庭用ゲーム機もDCが発売されたこともあり、またPS互換基盤ゲームも現役ということもあって、やはり移植はスムーズに行われていった。社会現象にもなったbeatmaniaシリーズはもちろん、ダンスダンスレボリューションは家庭用との連動が行われ、PSメモリーカードを介してオリジナルステップ等の作成&プレイも可能になり、相当に盛り上がっていた。また移植度も移植というよりはほぼ同じという感じで、ダンスダンスレボリューションはその後PSへの移植は定番ともなっていく。

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その後はDCは廃れ、PS2が発売。PS2はさらに家庭用ゲーム機としては極端な向上を行ってしまう。この時点でアーケードゲーム機は完全に抜かれてしまった。その後はPS2互換基盤が登場し、一部アーケードゲーム機はもはやPS2への移植前提とも思われるような販売を行い、さらにWindowsベースのゲーム基板が登場。PS3PS4と進化しWindowsベースのゲーム基盤はさらなる進化を遂げるわけだが、これに関しては以前に語っているのでそちらを参照にしてもらいたい。

setoalpha.hatenablog.com

今にして思えばPS、SS時代はアーケードを追い越してしまった時代だった。アーケードで楽しめていたゲームが気軽に家庭用ゲーム機で楽しめたのは非常に大きく、当時もかなり楽しませてもらった。ユーザー側からすれば心待ちにしていたことであったが、ゲーム業界とすればターニングポイントでもあったのだろう。その後生き残っているゲームメーカーを見るとそれは明らかである。

それでも家庭用ゲーム機がついにアーケードゲーム機に追いついてしまった事実は衝撃的だった。チマチマとFCにPCE、SFCやMDの苦労極まりない移植ゲームしか楽しめなかった当時からすれば衝撃的でもあったのは間違いない。リアルタイムでFCからアーケードでも楽しんできていたゲーマーからすれば感慨深いものがあったのは間違いないだろうが、いかんせんこの感覚がわかる人間ももはやおっさん通り越してアラフィフなんじゃね?ってぐらい年を取りすぎてしまったw