80年代半から後半にかけては8bitパソコンゲームの全盛期と言ってもいいだろう。
そんな当時各パソコンにおいてどんなイメージだったかを簡単に語ってみようと思う。
まずその前に当時のゲーム事情を少々。
当時はファミコンの全盛期であり、家庭用ゲームはまずファミコンという時代であった。そんな中、中学生になり今で言うリアル厨二病的な感じですごす当時の我々にとってパソコンゲームは格好の背伸び的なアイテムでもあった。
セガなんてだっせーよな、プレステのほうが面白いよな。
ではないが、ファミコンなんてガキのゲームだよな、やっぱパソコンで本格的なゲームの方が大人だよな的な感じでそれはそれは痛々しいわけだがそんなリアル厨二病な自分たちにしてみればパソコンゲームというのはそういうものであったのだ。
なにせ、ファミコンに比べると色数はほぼ同等。スクロールは弱いものの解像度は明らかに高く高解像度。グラフィックの綺麗さを考えるとそりゃあ背伸びしたがる側からすれば格好の魅力。いろいろと言い訳を付けてたわけでございます。
そんな中当時の8bitPCはこんな感じのイメージでもあった。
- NEC:PC8801mk2SR以降
PC-8801(通称88)はNECのホビーパソコンでの路線を決定づけ、同時に8bitホビーパソコン戦争に終止符をうったパソコンでもあった。これ以降廉価版のFシリーズ高級版のMシリーズと路線を変更し、FR・MR→FH・MHとなり8bitホビーパソコンの標準機をして君臨する。
当時からしても88を持っていることは一つのステータス。なにせ8bitPCの中でも最速で出るゲーム、ゲームの種類も多くまだ18禁になるまえのエロゲーもあったりと、結構なもの。魅力度からすれば最高レベルでした。
ただ、値段が高いのもネックで結局はスネ夫的な家庭の人ぐらいしか持っていませんでした。どちらかといえば憧れが強いパソコンでもあったと思います。
- シャープ:X1シリーズ
X1シリーズは可も不可もないというイメージ。もともとMZシリーズがあったシャープのパソコンですが、MZはどちらかといえばビジネス色が強く、ゲームは少なめでX1シリーズはゲーム重視のパソコンと言った感じ。ただ初代のX1とTurbo以降ではかなり色が違い、Turbo以降でないと今ひとつでした。88と比べてこういった面もあって非常にシステム的にもわかりにくいパソコンというイメージが強かったです(このあたりがX68Kでの数年は同システムで行くという事になったのだと思う)。88に比べるとゲームの数は少ないものの、80年代半まではゲームの数も多く悪くなかったと思います。あえて言うならテープ機能がよすぎてなかなかFDDにシフトしなかったことと、先にも言った機種格差がちょっとわかりにくかったというのが欠点でした。
- 富士通:FM77シリーズ
もともとはFM7から始まり、その後77へとパワーアップしました。FM-7時代はどっちかといえば88よりも80に対抗していたというイメージです。とにかくマイナー色が強く、77が出てもあまりゲームは出ていませんでした。ゲームが少ないため魅力度は子供からすればかなり薄く、早々にTOWNSに移行したところを見ると難しかったのでしょう。色数が多かったりと独自特色はありましたが、やはりゲームが出ないことには難しかった機種だと思います。
- 各メーカー:MSXシリーズ
MSXシリーズは比較的ファミコンに近く、どっちかといえば値段が高いファミコンというイメージで言うのが近いと思います。他のパソコンと違い当初はカートリッジ式がメイン。またシューティングゲームも多くMSX2以降になると色数も増えたことでファミコン以上スーファミ以下のような感じに近かったです。他のパソコンと比べるとゲーム機に近かったため、ファミコンの異色のようなゲームも多く、同時に88等で発売していたパソコンゲームも移植されると言った感じでどちらかといえばパソコンとファミコンのハイブリッドに近かったと思います。また、MSX2以降になり、2+時代になるとFM音源やFDDの対応も標準となったため、先行していたパソコンに近くなる。
最終的には88が廃れたあともそこそこ生き残っていたため、8bitパソコンの中では長寿でした。まあ最終モデルでもあったターボRが今一つの仕様だったことと値段が高かったことがすべてかな…。
と言った感じですかね。ファミコンにはないシミュレーションゲームがあったりととにかく背伸びしたい側からすれば最高のホビーパソコンでした。今とは違ってとにかく特色が多かった時代なので、ファミコンとパソコンではゲームの線引も少々異なっていて、両方持ってる人もいました。
なにはともあれ、いい思い出でもあります。自分はMSX2を持っていたけどやっぱり当時は楽しめてました。80年代後半は8bitパソコンの全盛期でそれはそれは面白くもあり、色々とあったものです。まだ書籍も元気でパソコン雑誌も多数あり、そういった雑誌を読むだけで面白かったものですね。