サブカル回顧録

ゲームやコンピュータ等、一昔前の語り草

PSP CFW その流れと歴史

モンハンが大ブレイクしてPSPがまさにピークの人気になろうとしていた頃、実は裏側でもPSPが大ブレイクをしていたのである。そんなPSPの裏街道でもあるCFWが当時どのような感じで進化していったかちょいと話してみようと思う。

PSPのCFWは流れとして大まかに3つに分類される。このうち一番流行ったのは2番目のものになる。ここでは全種類大まかに紹介してみようと思う。

①初期限定バージョン

まず最初に登場したのは初期のPSP本体のみ対応したもの。それもFWのバージョンが1.50のみ限定になる。この型番の頃はまだ導入が難しく、さらに言えば一番最初に出たFW1.50のもの限定になるため、敷居も高かった。そもそもPSPのCFWが産声を上げた時点ではまだこの初期型PSP(通称1000型番)のみだったため問題ではなかったが、いかんせんこの頃のCFWはこの旧FWの1.50を改造しつつその時の最新のFWを導入すると言った感じでいわばFWを2つほど擬似的に入れ込んでる状態に近く、また導入もかなり面倒ではっきり言えば相当面倒くさかった。さらに言えば失敗することもあり、失敗すると起動すらしなくなり、通称文鎮と言われる状態にまでなることもあった。

さらにその後に発売した中期型PSP(通称2000型番)はこのFW1.50を完全に潰しておりこの方法では改造は不可能であった。なのでPSPのCFWは一旦この時点で下火になっていくのである。というのも新型番の2000番本体は軽量化や他にも例のボロクソに言われていた□ボタンの改善にUMDスロットを簡易化することにより不意に開かなくなる等と言った細かいマイナーチェンジを施し非常に本体として完成度が上がっていたため、とにかく重さが際立つ1000型番を徐々に新品から姿を消していっていたのだ。そしてCFWもここで一旦終焉を迎える…と思われた。

②中期2000型番までの対応バージョン

ここで潮目が変わってくる。ちょうど2000型番がマイナーチェンジされ新色展開が出た時期に突如として新たなCFWが現れる。このCFWは今まで違って俗に言う1.50縛りがなく、「現行のFWに改造を施したものを使用する」という現在のスタンスになる。また一番最初に処理を行う際にはPSPのバッテリーを改造したパンドラバッテリーというものを利用することになる。このパンドラバッテリーは一応純正のバッテリーを改造できるのだが、この改造するためのツールはCFW化したPSPが必要で結局卵が先か鶏が先か状態である。なので当時流行った方法として、ヤフオクでパンドラバッテリー改造を依頼したりや海外通販(当時はまだAmazonはなかった)で直接パンドラバッテリーを買って最初の第一歩を踏み出すことになる。このパンドラバッテリーの特徴は例の初期CFWの導入に失敗した文鎮PSP本体を復活させることが出来たり、またCFW導入に失敗をしても蘇らせることができるため、このPSPのCFW導入の敷居が強烈に下がった。

このCFWの特徴は公式のFWに改造を行ってCFW化することもあり、その対策としてソニー側もFWのアップグレードを施すと同時にそれ以降に発売されたゲームは最新FWでないと起動が出来ないような仕様にしていく(今のPS4以降もこれに近い)。そうやってFWのバージョンを上げることで対応していくのだが、CFW界隈も馬鹿ではなく、最新FWが出ると即座にCFWを対応をしていき、結局はCFWも同時にアップグレードしていくという感じになる。またこの時代のCFWは数種類あり、そのどれを使っても基本的に動きは変わらないだが、当時はM33やGEN、Prometheus等を利用していた人も多かったと思う。なおこのCFWも2000型番後期型やその後出た3000型番には対応していないため、主に2000型番を初期~中期に買った人がメインで使っていたのではないかと思う。仮に導入に失敗してもパンドラバッテリーでもとに戻せるためかなり楽になったのがこの中期バージョンでもあった。

③最終式のCFW登場:PSP全機種対応へ

時は流れ突如として最後のCFWが発表される。これは通称LCFWと言われ、PSPの型式関係なく全機種対応となる。ちょうどこのLCFWは2010年の末辺りに発表されたと思う。ちなみにこのLCFW発表直後から一週間程度で市場に売れ残っていた数少ないPSP-GOが市場から完全に消滅したという逸話もあるぐらいだ。

さてこのLCFWだが今までのCFWとは全く違った仕様。このCFWはパンドラバッテリーによる特殊な操作も必要なく、単純に純正FW上で動作するようになっている。純正FW上でそのFWに合ったLCFWの導入キットを起動すると自動的にCFW化されるというわけだ。ガンダムにマグネットコーティングを施すとかああいう感じで考えてくれればわかりやすいと思う。また電源を切るとCFW機能はオフになるが、その際は再度導入キットを起動すれば自動的にCFW化される。なので、パンドラバッテリーも必要なく、また本体が壊れることもない。単純に純正FWの上からCFWをかぶせるような感じに近いので、なれてしまえば誰でもできる。しかも失敗してもお咎めなしということで非常にラフな感じになった。とは言えすでにこの頃はPSPも下火でかなり末期に近かったためそこまでフィーバーはしなかった。実質CFWが一番盛り上がったのは2番目のバージョンの時代だった。

 

そんなPSPも数年前に生産は終了し、すでに市場に流れている個体はほぼ皆無と言っていいだろう。残っているのは中古品ぐらいしかないが、なにせPSPは駆動系ドライブ及びメモリースティック接続端子と結構ヘタるところが多く、個体の当たりが悪い場合は本体自体がもうヘタっていることも多々あるということだ。それでも今からLCFWを導入すれば結構楽しめる。家に眠っているPSPや中古でもぼちぼちの個体が手に入ることがあれば一度試してほしいですね。なかなかにリミッター解除されたPSP本体は結構なカオス具合ですよ。