サブカル回顧録

ゲームやコンピュータ等、一昔前の語り草

Windows95時代の自作PC事情:PC自作派 Vol.8より

今回はVol.8、98年10月号より。ちょうどCeleron300Aが登場してきたあたりになる。この300Aも実はかなりOCできるCPUとして有名なのだが、266Mhzの例のアレに比べると少しだけ敷居が高い。ただ大半はポン付け+設定変更だけでほぼほぼ動いていたというのである。

表紙

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目次

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グラボ&サウンドカード特集にDual PentiumII。ついに5万円PCが登場。この辺りから実用性が高くなりいよいよ低価格PCの本格的幕開けになってくるわけだ。

TOPICSから

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ここの注目記事はA-Masterの閉店だろう。この頃はまだ気がついてなかったが、自作PCショップは相当に厳しい状況だったのか、この後に2000年頃までにも結構店舗は減っていく。98年後半の時点ですでに少しずつであるがゆっくりと店舗減少は始まっていたと言える。

巻頭特集 戦国絵巻!3Dグラフィック&サウンドカードを究める

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見ての通りにはなるが、この時代はまだグラフィックチップの性能差はいうほどなく、得手不得手の世界でもあった。というのもWindows98時代ではまだゲームはそこまででゲームはゲーム機で遊ぶのが効率的でもあったからだ。初代PSやSSクラスのゲームはPCではかなり厳しかったのも否めない。またベンチソフトもまだまだ本格的なものは少なく、せいぜいFinal Realityぐらいでもあった。そのなかでもRiva128ZXが抜け出しており、次点でG200と言ったところか。ATIは残念ながらまだRage世代なので今ひとつ。ATIが進化するのはRADEONの発売を待つことになるのでこの時点ではイマイチな位置づけになっている。

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次世代チップセットとして挙げられてるのがこの3つである。すでに化石のようなものであるが、ご存知RIVA TNTはまだまだマイナーチェンジモデル。RAGE128も同様で一足飛びの進化はまだ待つことになる。残念なのはVoodoo Banshee。この後にVoodoo3を出すことにはなるのだが、残念ながらこの頃の輝きは失せていき、この時点が最後の輝きと言ってもいいだろう。

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サウンドカード特集なんて近年では相当のマニア相手ぐらいにしかやらないが、この時代はマザーボードサウンド機能はなく、もちろんLAN機能などもなく最低限しかなかったのでどうしても選択肢として選ぶを得なかった。実際のところ妙なことをしない限りほぼほぼサウンドカードの差はなかったと言ってもいいだろう。結局は大正義Sound Blaster Liveを買うという感じで収まっていた。ちなみに格安カードを購入しても体感的にはそこまで差はなく普通に使うのであれば単純に気分的なものだと言ってもいい。なおSound Blaster Liveであるが発売後まもなくバルク版が流通し始め、値段も1万円を切ることになり、結局Liveを皆選ぶということになる。まあその頃はその他サウンドカードは2000円前後にもなるので結局こだわらない人はそういった安いカードで普通に使っていたのであるが。なお一部のDOSアプリでなければ特に問題はなかったのは言うまでもない。

自作の心得

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数少ないWindows98のインストール方法を紹介。まだCDブートがメジャーでなかった時代で、製品版はFDD起動になる。OEM版に限りCDブート可能ということで紹介したのであろう。なにせまだ当時はCDブートでのインストールは初めてということもあってわからない人も多かったのである。

PART 1:デュアルペンティアムIIでグラフィックマシン

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この時代としては珍しいデュアルCPU構成。まだWindows98が出たばかりでCPUは1個のみ対応という時代。マルチCPU時代は今でこそ当たり前でCPU1個に対してコア数が4、8,10等々ではあるが当時はCPU1個で1コア。さらにOSも対応していない。一般ではまず構築することはないであろうシステムも見る側からすれば非常に気になるところではあったものだ。

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当然といえば当然だが、まあ値段がすごい。CPUがよりにもよってかなり高価格帯を選んでいるわけだが、それでなくてもパーツ単価がやはり高いのはデュアル故の宿命か。これを見ると今のパソコンは高いものは高いと言われているが相当安くなっているのがわかると思う。

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結果だけみれば確かに素晴らしいスペックであることはわかる。当時こんなモンスターマシンを組んでいたらえらいことになっていただろう。ただ値段もすさまじく趣味でさすがにこれは組めない。こういったロマン枠になるのだが、これは今で言えばインテルXEONAMDRYZEN スレッドリッパーあたりになるのだろう。そう考えるとわからなくはないのである。

Voodoo通信

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Voodooは一世を風靡してたわけなのでこういった特集枠も当時は色々と盛り上がっていた。環境変数の変更というのはINIの変更に近く、まあ無茶なことをしない限り狂ったことにはならなかった。とは言えバックアップをとってから改良するのはお約束ではあったが。

徹底検証:セレロン300AMhzの実力はいかほどのものか?

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発売したばかりのCeleron300Aから。この前に出たCeleron266が凄まじいOC耐性でなんとリテールクーラーでも安定して動いたというえらいことになっていたためこの300Aも当時期待されていた。結果としては2ndキャッシュ分の効果はそこまでなく。またOC耐性もそこまでではなかった。が、これはリテールクーラーでのお話。実はクーラーを変更して冷却能力を高めれば普通にOCしてベースクロックが100Mhzで動いてくれたのだ。特に型式SL2WMはかなり耐性も高く、500Mhzも追えるCPUとして盛り上がっていたものだ。なにせ当時はまだ最高速度のCPUはPentiumIIの450Mhz。値段的には半分以下でそれ以上の能力があるわけで盛り上がらないわけがない。2ndキャッシュはたしかにPentiumIIの半分であったが、PentiumIIの2ndキャッシュはアクセス速度が周波数の半分になるという欠点もあり、それを考えると差はそうでもなかった。この後この300Aも大人気になり品薄状態になったのは当然で、異常に盛り上がっていくのである。

PART 2:K6-2とスーパー7で作る最強ゲームパソコン

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Celeronが出てきてインテル系のCPUもかなり安価になったこのタイミングでK6-2で自作するというなかなかに暴挙な企画。スーパー7はかなり相性もうるさく癖が相当にあるマシンだったのだが、それもこれもPC自作派の記事を読んで知ったことである。今から考えたらよくこんな地雷企画通してたよなって思う。

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コンセプトと値段がなかなかに凄まじい…。

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トラブルが多いのは結局ソケット7をパワーアップと言った感じで延命しつつ機能を追加していったが故の不具合とも言えるだろう。そもそも現行チップセットに追いつくためにかなり無理矢理やったのは明白でこの不具合との戦いは普通に使うには厳しかったのは間違いない。自作PC界隈ではさすがに怖くて自分の周りでは誰も手を出していなかった。逆にメーカー品ではソニー富士通等で採用されており、メーカー品だとむしろ安定するように調整してくれていると思うので選択肢としてはありだろう。またメーカー品は基本追加等もしない人も多いのでそういった意味では選んでいた人はいたのではないかと思う。

はじめてのSavage3D

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記事でも散々な内容であるが、このSavege3Dはドライバーの出来が非常に悪く、性能を100%発揮できなかったと当時から言われており、結局ドライバーのチューニングが中途半端に終ってしまったことで知られている。結局S3はもう諦めてたんだろうなと…。

PART 3:こだわりのオーディオパソコンを作る!

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この時代はちょうどMP3が普及し始めてきたというか、PCユーザーの中で使う人が増えてきたという感じ。CPUもそこそこ早くなり音楽データの整理等がやりやすくなったからということもある。こういった形でオーディオパソコン的なものを作っていた人もいただろう。自分もここまで本格的にはやっていなかったが、当時CDコンポ等につなげてオーディオプレイヤー代わりに使っていたりした。まだまだ早かったがすでにパソコンを音楽プレイヤー代わりにしていたユーザーは確実に増えていっていたのだ。予算的にはかなり高めには設定されいるが色々と削れるところも多く、うまく調整すれば全然組めるレベルになっていた。この中でmpmanが相当値がかかるが、実は99年辺りからMP3に対応したCDウォークマンが登場しており、それに変えれば値段はかなり下がる。他にもCD-R一台にしたり、HDDもSCSIでなくIDEにする等すれば十分コストは落とせたのである。

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PART 4:激闘!5万円パソコン一本勝負

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いよいよ時代は5万円PCが登場。わずか一年あまりで5万円まで落ちてきたのだが、果たしたその内容はどうなのか?

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さすがに制限がすごすぎるため記事もなかなかにダイナミック。見ていてかなり楽しげ。当の本人からすれば相当だろうが。

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見てのとおりだが凄まじい事になっているw。HDDはなんと5インチモノ。こんなの普通は売ってない。あとFDDサウンドカードがなかなか。今であれば全部オンボードなのだが当時は違い絶対必用になるところが値段的にも厳しいのである。

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スペックではなくこの値段で自作できるようになったというのが一番大きい。当時余裕があるのであれば二台目も全く作れるわけだ。ただモニターやOSを別途準備すると言う点でいうとどうしても厳しくなる。それでもモニターは中古であれば1万以下であったし、OSも古いWindows95を利用するなどすれば十分行けただろう。もしかしたら当時二台目としてこういった形で自作した人もいたのかもしれない。

まとめ

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参考パソコンがCeleron300Aのマシンになっているためいよいよ参考がかなり現実的になってきたといえる。今後は参考パソコンが現実的な値段で推移するため5万円パソコン等もさらに盛り上げっていくことになる。

 

今回はこれでおしまい。