サブカル回顧録

ゲームやコンピュータ等、一昔前の語り草

スーファミエミュレータ、その移り変わり

今回はスーファミエミュレータの歴史を少々。スーファミは安定するまで結構時間を要しており、その都度エミュレータ本体を替えていくという感じであった。現在はもう落ち着いているためほぼほぼ選択肢はないが、90年代後半は進化の途中でもあり、なかなか面倒な時代でもあった。

今回は自分が選んできたので若干現状とはズレがあると思います。あとある程度安定してくるとどうしても新しいソフトには手を出さなくなってくる傾向も強いため、そのあたりはご了承ください。

初期:Snes9X 0.24

やはりスーファミエミュといえばこれだろう。現在も更新されており、特にスマホにも対応しているという点で愛用している方も多いと思う。かなり歴史は長く97年からスタートしている。

ただWindows対応でなくMS-DOS対応。それが故に音の問題があり、当時は標準とも言えるSB(SoundBlaster)系のISAカードでないと音楽がうまく鳴らないやバランスが崩れつ等の問題もあり、Windows時代からの人達からすれば少々敷居は高かった。一応SB系のPCIカードもなんとか対応してくれたのでとりあえずSB系を買っておけばまあなんとかなるといった感じでもあった。

更に当時はすでに開発は終了したとのアナウンスも有り、この時点で最終盤でもあった。そして困ったことにこのバージョンはスーファミの半透明処理が完全対応されてなく、半透明処理がかからないフィルター部では画面がまともにみえなくなったりもした(確かクロノ・トリガーの未来の最初だったかな。あそこで雲が出てくるんだけど、雲に隠れて何も見えなくなる)。その対処方法としてフィルター解除ボタンを押して見えなく所だけフィルターを解除するといった少々面倒なこともあった。

それでもスーファミがWindowsPCで出来るというのは非常に魅力的であった。なにせまだ2~3年前までは現役であったゲーム機である。それだけでもWindowsPCを買ってまで楽しむといったメリットはあったのだ。前回語ったファミコンに比べるとPCのスペックも当時としては高スペックを要求しており(Pentium160Mhzぐらいは欲しかった)、またMS-DOSということで非常に敷居も高かったがそんな中、果敢にチャレンジしていくユーザーもいるのであった。自分もその一人でファミコンのときの同様にまたもや情報が少なすぎる中、自ら調べていた。

そんな中。突如として新たなエミュレータが現れる…

中期:ZSNES 0.400

このZSNESもSnes9Xと同時期なのだが、こっちは98年頃に突然半透明処理に対応してくる。当初は使いづらいGUIでとっつきにくかったのだが、Snes9Xとは違ってPCI系のサウンドカードでも問題なく、SB縛りが無くなったということでプラスにもなった。とはいえすでに当時はSB-Liveがすでに安くなっておりバルクだと8000円強から買えたことも有り大半がそれを使っていたが、安価な2000円前後のオーディオカードでも問題なく再生されるためそういった面でも重宝された。

もちろん本体としての性能もアップ。Snes9Xに先駆けて半透明処理に対応しており、それ以外にも安定性もアップし、エミュレータとしての完成度が上がっていた。唯一の欠点といえば高解像度モード?の対応で、例を上げればロマサガ3や聖剣伝説2・3のステータス画面表示。縦長の文字表示がうまく再現されなく、これだけが難点であったがそれ以外はほぼ問題がなかった。ただそれだけ要求スペックも上がっていく。PentiumII以降のCPUを必要とし、当時最先端を進んでいた自作ユーザーはまだしも一般ユーザーからすればPentiumがまだ多かった時代。そういう意味ではまだ厳しかったとも言える。とは言え、この時代のCPUの進化スピードはかなり早く98年にもなれば一気にPentiumIIは普及していくため、こういった面でも追い風になっていく。

唯一の欠点といえば、インターフェイスMS-DOSベースと言うところ。その後Windows対応をしていくのだが、今見てみると少し扱いづらい感じもした。当時はこれが当たり前だったのだがそこだけが少し欠点といえば欠点であった。だが、それでも再現性その他を見ても一気に進化したのは明らかで快適になったのは間違いないだろう。

中期:Snes9X 1.00

すると、今度は開発中止したSnes9Xが突如バージョンアップを行い、こちらも半透明処理に対応してくる。しかも同時にWindows版をリリース。ZSNESも同様にWindows版をリリースしていたが、使い勝手という面を見るとどうしてもSnes9Xの方が上でこのSnes9Xのバージョンアップを堺にまたSnes9Xに戻っていくユーザーもいた。たしか0.24のときと比べて見た感じが少し変わっていたような気はする。が、基本使い勝手は変わってはいなかった。

余談であるが、その後Snes9XはいろいろなOSに移植されていき、Windowsはもちろん、カスタムファーム用のPSPや今であればAndroidにも移植されている。そういった過程で触ったことのある人は結構いるのではないだろうか。

中期:SNESShout

Snes9Xをベースに作られており、当時は完成度が非常に高かった。ZSNESが少々癖があることもあり、また日本語対応ということもあって一時期使っていた人は多かったと思う。設定等が当時のDOSのベースのエミュレータに比べてもかなりわかりやすかったこともあり、好んで使っていた方も多かっただろう。というのもSnes9XやZSNESは一部設定でコンフィグを直打ちして書き換える場合もあり、そういった利便性を考えてある程度設定がやりやすいということで使っていたという人もいた。ただ動作的な不具合は結構多く、動かないソフトは不具合の出るものも多く、そういう意味ではZSNESの方が安定していたと言ってもいい。この頃はSNESShoutとZSNESを併用していた人も多かっただろう。

最終:SnesGT

SnesGTは安定性が高く、特にサウンドを重視するのであれば最適の選択肢と言える。加速モードの際もサウンドだけは一定速度にすることが出来たりと、変にサウンドが加速しないので速度は速くても実機に近い感覚でプレイできる。特にシミュレーションやRPGに重宝していた。また設定も日本語で、高度な設定も少なくデフォルトでも問題なく遊べる。もちろん詳細設定も可能でまたわかりやすいことも大きいと思います。

後発ということもあり再現度も当時としてはほぼほぼ完璧で非常に快適に遊べる。現在ではbsnesが最適であると言う話だが、自分はサウンドの関係でこのSnesGTにこだわって使っている。すでに開発も終了しているが、ごく一部の特殊チップ系を除けば問題なく動作もし、またパッチ等をあてたデータも問題なく動くので完成度は当時から高かったとも言えるだろう。残念ながらチート機能に対応していないが、それもチート支援ツール(cep)が対応しているのでそれを使えば一応問題なく使える。そつなく対応し、現状問題なく動作し、サウンド関係が強いということで今も愛用しています。

 

 

スーファミエミュレータの流れはこんな感じでした。多分中期までの流れは当時触っていた人はほぼ同じだったんじゃないかと思います。最終が人によってはかなり違うのではないかと思います。多分ここは

Snes9X

bsnes

あたりで落ち着いている人が多いかなと。Snes9Xはとにかく対応プラットフォームが多いのでいろいろな端末で遊ぶ人はセーブデータの関係で選んでいる人が多いかもしれません。bsnesは完成度が高いという話ですし、ここまで来るとあとは好みの問題かもしれません。