サブカル回顧録

ゲームやコンピュータ等、一昔前の語り草

NEC Mate MRM28L4(Coffee Lake i5-8400)分解

ちょっとお値段は張るんだけど、ようやくCoffee LakeのMateの値段が2万円を切ってきたので購入。とりあえず分解をしてみようと思います。

※結論から言うとこのモデルは正直買わないほうがいいと思います。詳細説明は書きますが、なによりも筐体が度を超えた省スペースのため、グラボの入るスペースが狭すぎて実用的ではなく、ゲーミングPCとして見れば使い物にならないという結論です。せっかくPCI-Eスロットもあり、拡張性は今までとほとんど変わらないのに、本当にここだけが惜しいモデルでした。正直今買うならヤフオクで送料込みでも一万円以下で買えるSky Lakeのi5-6500モデルを買うのが一番コスパが良いです。すでに過去の記事でも紹介していますが、このモデルはLPのグラボであれば余裕で乗るのでGeforceGTX1650を乗せればちょっとしたゲームであれば全然余裕で動きます。メモリも16GBが刺さるので8GBx2枚でも余裕ですし実用的です。ですのでこのCoffee LakeのMateは完全に事務用途と割り切って使うのが良いでしょう。

 

外見

正面

正面は前回のSky Lakeモデルとほぼほぼ幅は同じ。また高さも同様になっており、大きい変化はそこまでない。

背面

背面も前モデルを踏襲。あえていえばPS2ポートがなくなってるぐらい。なお背面のUSBはすべて2.0。3.0は全面のみとなる。スピーカー端子も一つだけになりかなりのコストダウンを感じ取れる。

背面ポート詳細

このあたりはモデルによる違いもあるだろうが、基本的にUSB2.0が4個にあとはDPが2個。LANポートと言う基本構成となる。

内部構成

内面

こちら蓋を開けた後にいつも通りのメンテナンスモードになる。マザーボードが大きく感じるがこれは間違いで、マザーボードのサイズは前モデルとほとんど変わっていない。むしろケースがかなり小さくなっているので奥行きがグッと狭くなっている。これに関しては見てわかるレベルで奥行きが狭くなっているのがわかる。最初見たときは相当省スペースなので悪くないと感じたのだが、この狭さが実はトラップでグラボの後ろ側にユニットが干渉してしまうため、本当に最小スペースのグラボしか刺さらない。もちろんファン等でサイズオーバーしても引っかかるため、ジャストサイズのグラボを探さざるを得ない。これがこのCoffee Lakeモデルの最大の欠点になる。

またメンテナンス性がすこし落ちており、前モデルではそのままパネルが起き上がるようになっていたが、このCoffee Lakeモデルでは一旦前面パネルを取らないと起き上がらないようになっている。これは2個前のHaswellモデルと同じであり、世代は上がっているのにメンテナンス性は落ちるという本末転倒な状態になっている。

PCI-Eスロット

シッカリとPCI-Eスロットは搭載されているが、見ての通りメモリ部分までの長さのカードでないとユニットと干渉を起こすため指すことができない。このため、GeforceGTX1650に関しては搭載不可能。GT1030に関してもざっと見た限りGigaByte製ならかろうじてギリギリセーフかと言った感じ。その他のメーカーに至ってはカード長からみてもGT1030でも搭載は不可能だろう。それぐらいシビアなサイズになる。正直言ってグラボを乗せるのはほぼ無理と言ってもいい。

こんなことならケースはもう3cmでもいいのでこのあたり余裕を持って作ってほしかった。はっきり言ってしまえば極端な奥行きの無い省スペースを作ったが故にまるでPCI-Eスロットが無意味なスロットになったと言ってもいいだろう。

メモリ周り

個のモデルに関しては2本のみ。他のモデルなら4本もあるかもしれないが最安モデルはこんなものなんだろう。なお公式では1スロット8GB迄となっているが普通に16GBは乗るので面倒であれば16GB1枚買って指したほうが早い。なおデフォルトで8GBが1枚刺さっていたのでそれでも十分余裕ではある。

S-ATA周り

このあたりは今までと共通で3ポート。実際はHDD+SSDとして運用したいがスペース的にSSDは無理やりになってしまうので、CD-ROMの下辺りに両面テープで張るのが良いだろう。というのも3.5→2.5ベイを買ったところで色々と金具が干渉してまともにケーブルがつながらないからだ。

M.2 Nvme

ポートはあるがマウンターがないので使用不可能。前モデルもそうなのだが、なんでポートを付けるのにマウンターがないのだろう。とにかくこういった中途半端な仕様がどうにもいただけない。それとも基板設計等をLenovoに委託したが故なのだろうか?

どちらにしてもポートが有るのに使えないというのはなんとも勘弁してほしい。

HDD&マウンター

写真を見るとわかるのだが、ちょうどケーブル接続の上側がマウンターで被されており、このおかげで変換ベイを使った場合ケーブルが干渉してSSDが設置不可能になる。どうにも超省スペース化のために相当ガチガチな設計をしたのであろう。内部を見るとそのあたりが露骨に現れており、せっかくの拡張等が本当に台無しである。

このマウンターもかなり退化している。前モデルは軟式プラスチックでかなり簡単に設置できたのだが、こいつはとにかく硬い。かなり力を入れて無理やり外す感じでようやく外れる。とにかく全体的にメンテナンスはかなりやりにくいのは間違いない。

前モデルとの比較

正面

横幅及び高さに関してはほぼ同サイズと言っても良い。細かな違いは前面のUSBが4個になり、うち3.0が2個となる。前モデルは3.0が2個だけとなっているため、前面からのアクセスが若干向上といったところだろう。それ以外の差はほとんどない。

奥行き

これがメリットでもあり最大の問題点でもある。相当筐体が小さくなっているのがわかるだろう。奥行きが1/4近く縮まっていてこれだけでもかなりの省スペース化を図っていることがわかる。ただこれに関してはメリットよりもデメリットのほうがはるかに大きいわけだ。またこの写真ではわかりにくいが、実は電源ユニットが下側に変更されている。

内部構造比較

見て分かるが、マザーボード長にピッタリと収めた筐体サイズというのがわかるだろう。また、PCI-Eスロットが本当にギリギリで筐体と干渉しているのもわかるだろう。前モデルとそこまで差はないように見えるが、その実その差はかなり大きく、この僅かなスペースの無さでほとんど大半のグラボが刺さらなくなるというマイナス面を生み出している。サイズ感もさることながら筐体の部品等を考えてもかなりコストを落としているのは感じ取れるが、さすがにこれでは今までのMateでできたプチゲーミングPCとしての役割はほぼ不可能と言っても良い。せっかくの安価で作れるというメリットが本当に台無しになってしまったのである。

まとめ

まともなグラボがほとんど刺さらないのでゲーミングとしての用途からすれば落第。となるとほぼほぼビジネス用途となるわけだが、こちらもグラボが使えないというデメリットはかなり大きく、特にフォトショ等の重たいソフトを使うとなるとグラボがないと言うのはむしろ致命的。本当に使うとすればOffice等やブラウザ等の使い方がメインとなり、それを考えると2万円弱という値段はあまりにもコスパが悪い。

とにかく省スペースをあまりにも意識しすぎたせいでせっかくのPCI-EもM.2もすべて使えなくなったという本当に話にならないモデルになってしまったと言える。もちろん今まで通りWindows10であればドライバ等も同じやり方で導入できるので何も問題はないのだがいかんせん拡張性があるようでその実全くないと言うのはさすがに話にならない。もう少し考えて設計はできなかったものなのか…(特にSSDへの換装の際の引っ掛かりやグラボが物理的にさせないと言うのは設計段階から明らかにわかってただろう)。

これを買うのであれば今や本体価格で言えば6000円程度まで落ちてきた前モデルのi5-6500のMateを購入してSSD、メモリ、グラボと選んだほうが数倍良いだろう。総合的にはゲーミング的にもビジネス的にも確実に上だと言える。

 

とにかくここまでだめなMateは初めてですね。正直選択には全く入らない話にならないモデルです。久々に使えないパソコンを掴まされました(´・ω・`)

8/16 追伸

エンジニアニブニングツールを使ってグラボの干渉部分をカットしてしまえばとりあえずグラボは刺さるようにはなります(実際試しました)。

ただ、HDDはマウンターが使用不可能になるため宙ぶらりんで使う状態になります。仮にSSDにしても同じで結局マウンター等も干渉するのでまあ固定するという意味ではお話になりません。ただそういう状態でも良いとなれば使うのはありかもしれません。

とはいえ、Mateはこのモデル以降は省スペース化が加速しており、GT1030ならまだしもGTX1650となるとますます面倒になるため(ファンが大きくなり、2スロット占有するため)もはやゲーミングPCとしては破綻したと言っても良いでしょう。正直CoffeeLake世代以上になるともはやMateを選ぶ価値は全くありません。むしろDELLの省スペースモデルやその他ショップブラントのミニタワータイプを選ぶほうが全くもって現実的です。さらにそっちのジャンク(とは言えHDDがなかったりするだけであるが)を強化したほうが確実です。

また先にも書きましたがメンテナンス性が落ちているというのがどうにも話になりません。なぜ前モデルのSkyLakeの筐体モデルを強化した感じで出さなかったのか?メンテナンス性はもちろんながらこのCoffee Lakeモデルは省スペースすぎて設計に余裕がないようにも感じた。ケーブル周り、PCI-Eスロット周り含めてとにかくギリギリといった感じ。前モデルでもあったSkyLakeモデルのほうが明らかに完成度は高い。どう考えても小さくするがゆえに犠牲にしたというのは明らか。所詮はリースメインの法人モデルということなのでしょうかね。メモリも16GBが2枚乗ったりと非常に惜しい出来だけに本当にもったいない上この上ないです。