今まで紹介してきたMK32(Haswell)も相当に値段がこなれてきて今や送料込みでも6,000円程度にまで下がってきており非常に安定して安くなってきたが、そんな中Skylake世代のMateがいよいよ五桁を切ってきた。今回はそんな中でも標準的なi5-6500のMateを買ったので分解してみようと思う。
最初に一言言えばこのMateはSandy、Haswell、Skylakeと三世代に渡って買ってきたが、世代が上がるにつれて非常にメンテナンス性が上がってきてること。同時にHDD等の増設は基本的に出来なくなってきてること。ただこのあたりはM.2 NVMeが利用できるようになったため、Haswell時代に比べるとある程度は解消はされている。だが、時代の流れで外部ストレージがUSB3.0時代になり高速化したこともあるだろうし、余っているHDDを利用する等出来るのであればそこまで気にすることもないだろう。なにせM.2は端子があるにはあるが通常サイズで対応出来ないからだ。
外見
最初に、今回のSkylakeのMateは裏側のネジを取ってしまえばあとはドライバーは全く使わないで調整ができる。このあたりが今までのHaswellのものとは違う。とにかくメンテナンスがかなり楽になっているのが特徴である。Sandy時代の分裂タイプと違ってとにかくかなりメンテがしやすくなっていることが特徴でもある。
まずは全体サイズから。HaswellのMateと比べてみた。
縦置き使用時(左:Haswell NEC Mate MK32ML)
少し横幅がコンパクトになっていてまた筐体も薄型DVDになったりとスタイリッシュに変更されている。前面のUSBはSkylakeはUSB3.0に対応。USB3.0対応USBメモリや外付け2.5インチHDD等のアクセスが非常に楽になっている。
横置き時
横幅にするとSkylakeのほうが若干薄くなる。
背面
裏の端子の違い。今回のモデルは高スペックモデルなのでDPが2つあるが基本的には変わらない。省スペースではあるがUSB6個中、3.0が4つになっているのは非常に嬉しい。なお、HaswellモデルもモデルによってはUSBが6個のモデルもあるが、その場合もUSB3.0は2個だったりするので地味に高速化されていることもわかる。またD-SUB15PINが根強く残っているのはやはり法人向けだからだろうか。ただDPよりはHDMIのほうが汎用性は強そうなのだが…。
横幅
88mm。HaswellのMateが97mmだったので実に1cm近くスリムになった。実際の見た目はそうでもないが、少しスマートになった印象はある。
内部(CPU・メモリ・拡張スロット周り)
この辺りは今までのモデルとほとんど大差はない。基板設計はチップセットが変わっただけでほぼほぼ変わっていないと言ってもいいだろう。
内部全景
ここは基本構成はほとんど変わっていない。DVDドライブが省スペースモデルになっている程度。ただメンテナンス性は相当に向上していて初期のSandyモデルに比べるとかなり変わっている。
CPU周り
この辺りの設計はほとんど変化はない。いつもの構成
メモリ周り
相変わらずいつもの仕様。仕様違いでメモリが2本だったりするのかもしれないが。一応このSkylakeモデルからDDR4のサポートになっている。今回メモリを追加する際に店に買いに行ったのだが、今やメモリは捨て値になっており、4GB一枚が1800円程度なのはわかるが、8GBx2枚=16GBで4800円程度というなにやらよくわからない値段設定になっていた…。しかも地元のパソコン工房では4GB単騎では売っていないという始末で世も末だなと感じたと同時に、今ならSkelakeの中古買ったら楽勝で16GBメモリでいけるじゃんと思った。
今回使用したメモリ:G.SKILL F4-2666C19D 8GBx2枚
そもそもこれしか選択肢がなかった。8GB単騎で3,000円近くするのにそれを選択する必要性はあるのだろうか…。さらに言えばG.SKILLの時点でもう選ぶでしょ。
拡張スロット
PCI-Eがなんと2本に。これもスペック違いがあるかもしれないが、いつもの仕様と言ってもいいだろう。突飛つすべきは下側にあるM.2スロット。さりげなくではあるが、しっかりとこのMateも対応してくれている。だがどう見ても通常サイズのM.2が刺さるスペースはなく、ワンサイズ小さいものしか対応していない。これを見るとちょっと選択肢的にいただけないなと。予算的に少し高めになってもいいなら導入も良いかもしれません。なおBIOS上ではしっかりとM.2は認識していました。
このあたりのモデルからLenovo参加に入ったのか基盤にLenovoの表記がある。そういえばモニタ一体型のSkylakeモデルでもあってMK32MGにもLenovoの表記が入っていた。
PCI-Eの固定枠
ワンタッチ・オープン型。ドライバーレスで設置できるのが非常に良い。一番左はカバーになっていてこれをオープンして部品を取り付ける感じだがそもそも端っこはまずつけることはないのでほぼほぼ無意味。GeforceGTX1650を2スロット占有でロープロタイプを入れるのがベストだろう。
S-ATA端子周り
こちらも4端子分。4つさせるので悪くないじゃん?と思うかもしれないが、いかんせんこのMateはさせる場所はあっても置くスペースがほぼほぼ皆無。なのでやるとしてもPCI-Eスロットを使って外付け用に使うとかそういう用途しかできないだろう。正直端子はあるがあまり意味はないと思われる。
HDD・DVDドライブ収納周り
今回一番変わっているのはここだろう。とにかくメンテナンス性がかなり向上していて、ついに前面のパネルを取らなくてもドライブの取り外しができるようになった。これだけでもかなり使いやすくなっている。
DVDドライブ(設置時)
スリム型ではあるがかなり細かったのでスーパースリム型と思われる。右上にあるロック機構を解除することでオープン状態になる。なおロック機構の解除はドライブ上側にあるプラスチックパーツを指で抑えて一度ドライブを奥側にスライドしてからになる。(下部参照)
DVDドライブ(ロック解除時)
右上の青色矢印部分まで押し込むことで前面へとオープンできるようになる。
前面オープン時
すでにSSDを取り付けたあとであるがHaswellモデル同様に90度上面に起き上がる形になる。なお、今回は前面パネルも外す必要がなく、またかなりシンプルな公正なのでかなりやりやすくなった。Sandyモデルでは分解型で相当面倒、Haswellモデルでは前面起き上がりであったが前面パネルを外す+前面パネルにケーブルが結線されているなどから非常に使いにくかったがこのSkylakeモデルでようやくメンテナンス的には完成したと言ってもいいだろう。
HDD組み込みユニット
ネジ固定なしのロック型に変更。SkylakeのMateは分解の際に開けたあとはドライバーレスでメンテナンスが出来るようになっている。
SSD取り付け後
端子の関係でこんな感じでつけないと端子がひっかかって接続不能になる。この辺りは毎度のことなので慣れていれば特に問題はない。
SSDを取り付けたあと
こんな感じでL字型端子をつかっているためSSDはおもいきり端に寄せる。
ロック解除ピン
前面オープン解除の際は向かって右側のこの青色の印を抑えながら閉じる。ここで90度になるようにロックしているため注意すること。
まとめ
HDDの追加は基本的には難しいが、M.2スロットをメインで使うことで可能にはなる。その場合はS-ATA電源等の追加もいらないのでそのままM.2スロットに指すことで利用は可能。HDDを使いたいならこの使い方になるだろう。もちろん外付けHDD等を利用することで2.5インチタイプのSSDを使うのも悪くない。コスト的にはどちらも値段はあまり変わらないのでこのあたりは使用用途で決めるのも悪くないと思う。
とにかく今まで使ってきたMateと比べても非常にメンテナンス性がよかったので今後は値段も下がってくるだろうし(言っても4年落ちなので早い所はリースがそろそろ落ちてくる可能性も高い)先々はこのSkylakeモデルが中古の主流にはなってくるとは思う。特にひとつ下のMK27MLモデル(i5-6400:背面USBが合計4個)になると値段も7000円台となり非常にコスト的に魅力的なものにはなる。このあたりなら入門機としては十二分である。
とはいえ現行のMateはHaswellのi5-4570モデルであれば4000円強、送料を入れても6000円前後で買えるのは非常にお得でこれにメモリ+4GB、SSDに入れ替えるだけでビジネスマシンとしては十二分の性能を発揮できる。なのでその差額分のメリットを考えるわけだが
・M.2 NVMeの利用が可能なのでHaswell機では難しかったHDDとの同時内蔵が可能
・メンテナンス性は過去最高。かなり使い勝手が良い
・メモリは+4GBでもよいがいっそのこと8GBx2で超余裕構成が安価でいける
・言っても初代Skylake。6400は今ひとつであるが6500であれば現行の軽めのゲームであればGTX1650と組み合わせることで余裕を持って使える
これぐらいな感じでしょうか?一番のメリットはM.2の利用ができることでしょうか。少なくともこれだけはHaswell機では無理なのでここにメリットを感じるのであれば有りだと思います。ただそれ以外はそこまでという感じであるのは否めなく、コスパを考えるとまだちょっと早いかなとは思います。来年以降になれば今の相場よりは落ちてくるだろうし(そもそも今年の頭に比べれば四桁になってる時点でかなり落ちては来ている)待てるのであれば6000円前後まで落ちたときに安めのMK27型番を狙うのもありかもしれません。
ただ来年以降とはいえ現行標準仕様の基本(DDR4・M.2 SSD・USB3.0)がほぼほぼ揃っているSkylake世代がいよいよ手の届くところまで来たというのは朗報でしょう。特に今後はこのSkylake世代のMateを中心にチェックでしょう。特に法人需要のNEC Mateシリーズはかなりガチガチと思いきや、ドライバーのインストールもすべてWindows標準のアップデートから出来るというお手軽さもあり、数も相当数出ていることもあってかなりお得だと思います。