サブカル回顧録

ゲームやコンピュータ等、一昔前の語り草

NEC Mate MK32ML(Haswell i5-4570)分解画像

以前MK32(ME型)を紹介したんだけど、今回また機会あってパソコンを購入することになったので、今回はMK32(ML型)を分解した写真を載せてみようと思います。なお、スペックはPCI-Eの刺し位置等を除けばCPUもi5-4570で同スペック。ただ、基盤等の設計は全く別物となっていました。

2020/01/24 後半部追記修正

外見

外見はME型よりも少し横幅(写真は横置きなので高さになる)がある感じです。

f:id:setoalpha:20191210135003j:plain

f:id:setoalpha:20191210135014j:plain

ME型はスリムDVDだったためその分かなり薄くなっていたという感じです。それでも通常の薄型PCと考えればかなり薄いと思っていいでしょう。残念なのは前面USBが2.0なこと。ME型はUSB3.0だったのでここだけはマイナスです。映像端子もDVIでなくDPになっていたりと微妙な差があります(正直この差はよくわからんけど…)。ちなみに幅は9.7cm。ME型より1cm程度幅を取ることになります。

内部

ME型と全く作りが違います。法人モデルとはいい全く違う設計で同スペックPCを二種類もだすとはコスト的にも民生用とは全く違うのだなと思います。

f:id:setoalpha:20191210182804j:plain
ME型と比べると基盤を後ろ側に設置して前面に各種ドライブを設置する形になる。ME型は左側に基盤をおいてドライブを右側にすべて寄せていましたが、ML型はDVDドライブがノーマルサイズのため、前面に置く形になっている感じ。

なお分解の際は後ろ側のネジを外すのだが、このネジは大型の手で回せるタイプ。さらに分解の際はとってを持って引くのだが、天板のみが取れる仕様で俗に言うコの字型でないためかなり分解がやりやすい。

f:id:setoalpha:20191210135852j:plain

基盤拡大図。サイズはかなり小さい。CPUクーラーの上側に妙なガードみたいなのがあるが効果は不明。

f:id:setoalpha:20191210135903j:plain

f:id:setoalpha:20191210135917j:plain

DVD、HDD周り。HDDは裏返してネジ止め。結構簡素な作り。

f:id:setoalpha:20191210140407j:plain

S-ATAネクター。写真では見にくいが右側の下にもう一個端子がある。

f:id:setoalpha:20191210140918j:plain

電源周り。上の8ピンコネクターのうちの4ピン側からS-ATA電源をとっている。

残念ながら、3.5インチベイは一つだけでネジ止めで使う簡易仕様。HDD2台構成にするのは物理的な構造上不可能。2.5インチのSSDであれば固定を両面テープ等で行うことで可能。S-ATA端子も一つ余っているだけにこれはもったいないが、そもそも今どきHDDでの運用はかなり無理があるので、ここはSSDに切り替えてHDDは保存データ用途割り切り、SSDを両面テープ等で固定するのがベストと思われる。

なお、S-ATA電源だが妙な仕様で、マザボから直になっている。もちろん端子は2個しかないため、分岐ケーブル等を購入してつかうしかない。このあたりは特に問題ないと思う。

その他

f:id:setoalpha:20191210141842j:plain

CPUに蓋みたいなのがついている。多分熱の排熱等に使っているんだと思う…。

f:id:setoalpha:20191210141904j:plain

f:id:setoalpha:20191210141856j:plain

PCI-Eスロットは1つ。ここにグラボがさせる。写真を見てもらうとわかるが、ボードはLPにしてはかなり高さに余裕があり、横も設計上4枚刺せるようになっているため幅にもかなり余裕がある。なのでLPカードから5mmぐらい頭が出ても大丈夫だし、2スロット専有型のボードもさせる。最近ようやく増えてきたGeforce GTX1050Tiや1650のLP型グラボも刺せる。よっぽど重いゲームでなければグラボパワーである程度はカバーできるので、プチゲーミングPCとしても使えるのは大きい。もちろんそこまでのパワーが要らなければ同じLPでもGT630等でもいいだろうし、少し贅沢するならGT1030でもいいだろう。別にグラボがいらなければ内蔵GPUでも問題はない。ただ、このML型はDVI端子がないのでそこは注意しなければいけない。

f:id:setoalpha:20191210143424j:plain

さて、メモリ周りだがこちらは2スロット仕様。このモデルは少し前までは4スロット仕様だったのだが、ここはコスト削減を受けたっぽい。ただ発売時期によってはスロット数は4スロットである可能性もあるので、購入する際はよく調べてほしい。

また今回ヤフオクで買ったモデルは2スロットで4GBだったので、購入する際は気をつけてほしい。多分時代的に2GBx2の仕様が多かったと思われるので、メモリは4GBx2セットをPC購入後に別で購入する可能性があることを忘れないように。もちろん最初から8GB仕様を買ってしまえばいいのだが、困ったことに8GB仕様のモデルはめったに出ないため難しいだろう。

まとめ

結局CPUが全く同じで中身の基盤仕様以外はどうスペックなので、どちらを買うか迷うところですが、結局判断材料はこんな感じになるでしょう。

・ME型はHDDが2台設置可能。ML型は1台のみ

ただしML型も無理やりSSDであれば入れることは可能。3.5インチHDD2台となると物理的に厳しい。ME型は3.5インチベイが用意されているので問題なく導入できる。

・内蔵GPUを使う場合はME型はDVI・アナログRGB、ML型はDP・アナログRGB

これに関しては発売時期で変更があるかもしれないが、少し前までは一般的であったDVI端子が使えないことは要注意。

・ME型は前面USBが3.0、ML型は2.0になる

背面には一応USB3.0がついてはいるが、前面に関してはなぜかモデルで違うので要注意。特にUSB3.0メモリ等を使っている場合は速度低下に関わってくるため、背面から延長してきたほうがいいだろう。

・増設グラボはME型はLP1スロット専有型、ML型はLP2スロット専有型でもOK

設計上、同じLowProfile(LP)対応グラボでも、ME型は1スロットしか物理的に入らないので、クーラーが大きいタイプは設置不可能。LP型グラボでもGTX1050と1650はクーラーが大きいため2スロット占有になってしまい、ME型にはつけられない。この場合はサイズが若干大きくなるが、ML型を選んだほうがいいと思う。

どうしてもサイズのコンパクトなゲーミングPCがほしいのならML型、ビジネス用途及びゲームと言ってもそこまでコアなゲームをやらないのであればME型、になると思います。

もうちょっと詳しく言えばちょっとした3Dゲーム等がやりたいのであればML型。これならGeforceGTX1650や1050Tiあたりが選べるのでよっぽど重たいゲームでなければ問題なく遊べると思います。一昔前のSterm系のゲームであれば十分楽しめるものもあるでしょう。

逆にビジネス用途やゲームと言っても軽いエミュレータ等であればME型で十分。一応程度にGeforceGT1030、730、640(中古)といったグラボを買えば十分楽しめます。そこそこの3Dゲームまで求めるのであればGT1030が少し高いですが、このあたりであれば旧製品の650Tiレベルの性能はあるようなので、最近の重たいゲームでなければ対応できるでしょう。正直値段的には730や640は捨て値に近いのだけど、1030クラスを買ってつけたほうが良いとは思います。ベンチではなく一部ゲームで明らかに差がありましたので。

・メンテはME型の方がやりやすいと思う。ただ、ML型もそこまで悪くはない。あくまでME型の方がシンプルな分メンテのしやすさは上なだけ。

ME型は3.5インチベイがすべて独立して前面からワンタッチで取れるのが大きい。またコンパクトであるが、かなりキッチリと収まっているのでメンテナンス的にはやりやすいと思う。3.5インチベイが2個あるのもプラス。中の配線は以外にごちゃごちゃはしないが、端子までの距離が極端に短いため、結束バンド等を使ってまとめたほうが先々使いやすいと思う。

ML型は3.5インチベイがそのままダイレクトに付けるタイプなのでメンテナンス性は少し落ちる。また3.5インチのシャドウベイがないため、SSDとHDDを同時に付ける場合は少し無理やりやる感じでないと難しいところもある(出来なくはないが…)。ただ、トップパネル(横置きした場合の天板)が俗に言うコノ字型でなく、一面スライドタイプなので、非常に分解がしやすい。中の配線がどうしてもごちゃごちゃしがちなので、結束バンド等を使ってまとめるのがよいだろう。

・サイズ的にME型の方がコンパクト。奥行きで383mmに対して327mm。高さでも345mmに対して333m、横幅も97mmに対して88mmなので一回りは違う。超省スペースという意味ではME型はかなりよい。

ML型は俗に言うこれぞ省スペースパソコンというサイズ。サイズ的には一般的に売られているものを想像すれば問題ない。ME型は変えばわかるがさらに一回り小さい。ひと目で小さいのがわかるため、かなりコンパクトである。とにかく小さいパソコンがほしいのであれば選択肢にいれたいところ。ただサイズを犠牲にして上記でも述べたがグラフィックカードに制限があるため、ここを気にする人はML型のほうがいいだろう。

・最後に

前にも話した通り、これ系のパソコンは自作パソコンを組んだことがある前提のものだと思います。OSのインストール(Windows7対応であればその後の10のアップデートまで)からグラボの導入等、とにかく経験者のためのものなのでそういった経験のない人はSSDの入れ替え含めてやめておいたほうがいいでしょう。その場合は最初からSSD等の導入された改造パソコンを買うべきです。安く買って安く仕上げるというのはそれなりのハードルがあるし、それ相応のリスクも伴うことを忘れてはいけません。それかヤフオク等で買う場合もある程度完成されたものを買ったほうが良いでしょう。