サブカル回顧録

ゲームやコンピュータ等、一昔前の語り草

Windows95からずっと触ってきて個人的にターニングポイント的なものだったエミュレータ群

Windowsも95からずっと触ってきてるんだけど、そんな中やはり当時はエミュレータを忘れてはいけないと思う。かなりグレーゾーンだったとはいえ、当時のWindowsパソコンを買った理由にエミュレータの存在があったからこそ買った人も多いのではないかと思う。そんな中リアルタイムで触ってきてこれすげえなって思ったエミュレータを紹介してみようと思う。

CS:ファミコン → Nesticle95

家庭用ゲーム機として十分すぎるほど知名度のあるファミコン。当時はまだまだCPUパワーが低く、エミュレータも全体的に低スペックものが多く、そんな中このNesticle95は一番最初に使っていたエミュレータでもある。

Windowsも95時代はまだ対応ソフトはほぼ皆無でゲームなんてほとんどなく、またCPUもPentium75Mhz~166Mhzぐらいまでの時代。スーファミもあったんだけどそれは後述するとして、そんななかPentium100Mhzもあれば十二分動いてくれたのがこのNesticle95であった。

対応は非常にオーソドックス。まあ当時のエミュレータは全部海外製だったのでマニュアルも何もかも全部自分で英文を読んで理解すると言った感じ。もちろん補足してくれるサイトもまだまだなく、何もかも自力でやる必要があったがそれをやる価値が十分あったとも言えよう。今でいうStateSave機能も搭載しており、すでにこの時点でエミュレータとしての基本性能は持っていたと言えよう。

欠点という欠点はほとんどなかったが唯一特殊ROMタイプのゲームの音が壊れてしまいここだけがマイナス(例:女神転生2等)。またディスクシステムも対応していなかった。ただこれ以外に関してはほとんど完璧でPentium100Mhz時代でも余裕で動いてくれたこともあってかなりお世話になった。このNesticle95でエミュレータの基本を学んだと言ってもいいでしょう。

すごかったのはこの完成度でWindows95が出てまもなく公開されていたということ。こちらはDOS版が最初にあったのだが、発見したときにはすでにWindows版が出ていたのでそれを考えるとかなり初期に公開していたのだろう。Windows95初期に対応してくれたことも非常に頼もしく、ある意味エミュレータの基本を叩き込まれたものだった。

CS:スーファミ → ZSNES

スーファミに関しては少し後発になり、Snes9Xという今でも有名なソフトはあるけど、このSnes9XはDOS版でかなり停滞していたことと半透明処理が全く対応していなかったのでスーファミが完全に再現されなかったということ、高解像度モードになると文字が潰れると言った欠点もあった。もちろんこれだけでも素晴らしかったのだが、そんな中突然現れたのがZSNES。こちらも当初はDOS版であったのだがこのZSNESは半透明処理を初めて対応した記念すべきエミュレータでもあった。ちょうどCPUもPentiumIIに移行した時期に出たこともあり、動作速度もいい具合に快適なタイミングで出たこともよかった。実はSnes9Xはかなり古くからあったのだが、正直初代Pentiumではかなり厳しく、フレーム数は30FPSにしないと処理落ちがするぐらい重たかったのだ。なのでうまい具合ハードウェアの向上と共に公開されたと言ってもよいだろう。この後、Snes9XもWindows対応され半透明処理も対応されるのだがZSNESのほうが安定性や対応度を見ても一歩先を行っており、かなりの間活躍をしてくれたものだ。

AC:CPS1 → Callus95

アーケードゲームエミュレータとして衝撃的だったのはこれ。こちらも公開当初から驚きの完成度であった。ファミコンスーファミと慣れたところに突然降臨したのがこれ。なにせ当時はまだ一部ゲーセンでは稼働中でもあったストIIシリーズや天地を喰らう2等がエミュレータで再現されるわけであって、そりゃあびっくり。これもちょうどPentiumII移行期に公開されていて、うまい具合にマシンスペックに対応してくれた感じ。アーケードエミュレータではMameが当時からあったのだが、こちらはむしろ80年代のゲームであって、90年代ゲームになると少し重かったのだが、このCallus95は専用機でもあったことで非常に軽かった。アーケードエミュレータの初期に突然現れた奇跡のようなものだったのだ。

AC:ネオジオ → NEO RAGE

カプコンをCallus95で遊ぶのだったらネオジオはこちらNeoRageであった。こちらはちょうど98年前後ぐらいに公開されたのだが、これも最初から完成度が高く驚いたものだ。唯一の欠点はとにかくメモリくい虫で最低メモリ64MB、出来れば96MB以上ほしかった。32MB以下だとゲーム選択後に起動するのに5分ぐらいかかる。ただメモリさえ揃えてしまえばあとは余裕。Pentium300Mhz程度もあれば十分動く。その上ゲームソフトは発売後3ヶ月程度で入手可能。

ただ一番の問題は現役でゲーセンで稼働していたことでもあった。なにせネオジオは普通に絶賛稼働中だっただけに稼働中のゲームが普通にプレイできるのはグレーをかなり通り越していたと思う。それぐらい完成度も高かったのである。

PC:PC8801SR以降 → M88

NECのPC88シリーズのエミュレータであるが、このM88も公開当初から凄まじい完成度であった。当時としてはかなりCPUパワーを使うので、ちょうどPentiumIIIの時代であったが、PentiumIIIでも700Mhz以上ぐらいないと60FPSが厳しいエミュレータだったので当時としてはかなり重たい部類ではあった。ただそれを差し引いても当時の大ベストセラーパソコン。CSやACのエミュレータは考えていたが、パソコンのエミュレータが出てくるとは当時としては予想外でしかも最初から完成度が高かったこともあり、またたく間に広がっていった。当時のエミュレータ界隈はACやCSメインだっただけにこのM88の登場でその後X1、FM77といった感じにどんどん当時の御三家8BitPCがエミュレータ化されていくわけである。なおMSXに関してはDOS版で完成度が高かったものがあったが、その後Windows版が公開されこちらも同様楽しめたものである。

 

当時としてはこんな感じですかね。今はものすごい数のエミュレータがあってむしろどれを選ぶか?という感じなんだけど、最初の最初はこんな感じでどこかのタイミングでこういった刺激があってほかがどんどん公開されていくという感じでした。正直紹介したうち未だに現役で使えるのはM88ぐらいで他はすべて別の優れたものがあったりします。ただ、最初があったからこそであって最初の衝撃が強烈だったこの4本に関してはやっぱりいろいろな意味でターニングポイントだったんじゃないかと思いますね。