Windows98・NT4時代の自作PC事情:PC自作派 Vol.10より
今回は1999.4 Vol.10より
よくよく考えると季刊とは言えこれだけハイペースに自作PCのみの話題で発汗を続けているということに驚き。それだけ当時はパソコンパーツの進化スピードも速かったということになるのだろう。
特集 大容量・低価格! HDDアップグレードの賢い選択法
スロット1も安定期に入ってきたこともあって基本自作ユーザーはどうしてもパーツの流用がメインのため、そういったユーザーのための記憶媒体記事とも言える。とは言え当時はHDDぐらいしか選択肢はなかったのだが。
目次
ちょうどUDMAに切り替わる過渡期でもあったこの時期はそれに対応したマザーボードやPCIスロット対応のUDMAポートも出ていた時代である。また初心者向けのパソコンからまだまだ時代的には早すぎる家庭内LANサーバまでにUNIXやBeOSといったパワーユーザー向けのコンテンツが今回の紹介どころ。
TOPICS
AMDがちょうど初代Athlonを出す直前で(当時はコードネームでK7と言われていた)その発売が少々もたついていた際に同様に発売がもたついていたK6-IIIがようやく発売されたとの記事であるが、実はこのK6-III、発売後も数が極端に少なくまともに出回ったのはごく少数。またソケット7自体がもはや風前の灯に近くほとんど売れていなかったと思う(というかモノがなかった)。当時PC-9821を使っていたごく一部のパワーユーザーが購入して導入したとか言う話は聞いていたが正直まともに自作ユーザーで使っていた人がいたかどうかは不明。一応メーカーパソコンでは一部で採用はされてはいたようであるが…。
またギガバイトのデュアルBIOSに関してはそこまで盛り上がってはいなかったかな…。
巻頭特集 大容量!低価格! HDDアップグレードの賢い選択法
一部ページ抜粋からであるが、結論から言えばまだ出たばかりのUDMA規格では旧規格と速度はほぼ違いはない。実際当時の体験からもそれは確かである。ただ、技術革新はこの後に影響を与えることになるため、この先は速度差が生じてくるのだが、少なくともこの時期ではそこまで差はなかった。もともと下位互換はあったため、これ移行は皆強制的にUDMA型を買っていくことになる。また時代として面白いのがSCSIがまだ選択肢として残っていること。もともとIDEタイプはCPUパワーを少々専有することもあってその分速度が落ちると言われているがこのあたりがその差だろうか。ただ、SCSIの場合は起動ドライブの設定等をBIOSでイジる必要があったりといろいろと面倒なので実際のところ周りではだれも使っていなかった。せいぜいCD-Rドライブで使っていたぐらいだろう。
初心に還れ!自作の基本 定番パソコンをつくる!
見てのとおりであるが、この時代の標準的なスペックと言ってもいいだろう。CPUがCeleronの登場で本当に安くなったこともあり、実に1万円を切っている。例の300Aは強烈で値段も高かったのだが、その反動でこの333Mhzのものはかなり安くなっている。今からすれば10万弱という値段は標準という意味ではかなり高いのではあるが、この時代からすれば10万円で買えるというのはかなりお得でそういう意味でも10万円以下でパソコンが買えるようになったのは非常に良い時代になったともいえるのである。
Voodoo通信
一応まだVoodooが現役である。ただ残念ながらVoodoo時代は残り2年もなかったのであるが、この頃はまだそんなことは夢にも思っていなかったのである。
フリーUNIXで家庭内LANサーバを作ろう
サーバーなのでスペックはかなり貧弱でもOK。とは言えこれを一般人に推奨しているのがすさまじいところ。今でこそやってる人がいる(かも)しれないけど、そもそも当時としては自前サーバーを準備してFTP等でやっている人がほんの少しいたが、それもかなりのマニア。このあたりを特集にしてくるところがさすがこの雑誌というところか。
ちなみに、今現在やろうと思えば相当楽にできると思う。中古サーバーパソコンはかなり安価に売られているので、Windowsのプロダクトキー付を買えば即導入できるだろう。もちろん古いバージョンはセキュリティ等に問題があるので自己責任にはなるが。それか普通にHaswellあたりのパソコンを中古で買ってきてUNIXを入れるのもいいだろう。どちらにしても今ならまだ挫折しても再利用が効くのでダメージも少ない。当時もかなり枯れたパーツを使えてたとは言え、それでも値段は5万程度はすることを考えると企画倒れになった際のダメージは計り知れない。なにせ当時のUNIXはほぼほぼコマンド時代で色々と難しすぎて素人が手を出すにはあまりにもヘビーな世界だったのだ。
PCパーツ 定点観測
すでにFSB100Mhzが主流になったインテル系はCeleronを加えて下から上までまんべんなくラインナップを揃えてくる。AMDはさすがに厳しくすでにソケット7は風前の灯で、実際のところさらに安価になったサイリックスやIDTの方でいいやという人も多かっただろう。ただ、現実はほぼほぼ選ぶのはCeleronが多くソケット7はすでに形骸化していたと言ってもいいだろう。なお、ごく一部の好事家がPC-9821用でIDTのWinchipを買っていたという話。なにせ一部モデルであればポン付けで動いていたらしくそういった用途で使っていたようだ。
BeOS時代到来か?Beおあつらえマシンを作る
BeOSという当時からすでに一部の超絶マニアしか知らないOS用パソコンとなるが、当時自分も名前しか知らなかった。まあこういったマニアックすぎる特集は他の雑誌では絶対にできないので見ている方としては面白いのだが、ただ自作したところで何を目的に使うのかが全く見えてこないのもまた現実であった。
見てのとおりだが結構値段が高い。それでいて環境を考えるとさすがにこれは選ばないな…としか思えなかった。
はじめてのRAGE128
ぱっとしてこなかった当時のATI(現AMDグラフィックス)が頑張って色々やってきていた時代に出してきたチップセット搭載カード。性能はまあぼちぼちであったが当時としてはそこまで悪くなく、これがRADEONにつながることを考えるとまた感慨深い。
地方自作街道ぶらり旅:名古屋・大須
正直大須は行ったことが無いので当時も今もわからない。ただ今の秋葉原や大阪日本橋の現状を考えるとここも壊滅状態なのだろうとは思う…。
ペンティアムIIIで体験!バラ色的 次世代パソコンへの道
ま、初物ということでこんなもんでしょうか。とは言えびっくりするのが当時の高スペックに近いグラボが3万円もしないことにビックリ。今はこの10倍の価格ということを考えてもなんなんだろうと思う。
自作パソコンのパフォーマンス
見てのとおりであるがソケット7の時代はこの時点で終わったと言ってもいいだろう。価格帯効果その他見てもスロット1の方が明らかに優れており、互換CPUは一番厳しかった時代だっただろう。
今回はここまで